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ID.4995
 
■投稿者:tonakai 
■投稿日:2018/05/29(火) 21:31


転生したおっさんは元飼い猫とデジモンやっています1−2
「ブチ! 良かった! 夢じゃないんだな? いや〜良かった! ていうかなんで? どうして?」

嬉しいやら驚いているやらで、ブチの肩を揺らしまくる。

「お、落ち着くにゃ、とにかく、ギルドに連絡して本部にかけあってもらうにゃ!」

「うむ。今は無事を喜ぶべきだが、それも肝要。行くぞ!」

ムシャモンは先ほどの疲労なんのその、早足で出発した。
俺もいそいでその後を追う。
だが、そんなシリアス場面でも冷静でいられるほど神経は太くない。

「ブチ、どうやってあいつから逃げだせたのさ?」

「ふふふ、鍛えてますからにゃ!!」

理由になっていない。
まさかあの化け物を倒したわけがない。
あの巨体に跨またがって清めの攻撃で浄化したとはとても思えん。





「ペダルチャリンコモンって奴の仕業なんだにゃ」

「お主、本気でその名前で勘違いしておったのか?」

「にゃ? 違うのかにゃ?」

ギルドに戻った俺たちは、受付のウッドモンに報告した。
ウッドモンは最初は信じていないようだった。
きっとブチの余計なボケのせいだ。
ムシャモンがある程度説明すると、俺の証言も含めて、すぐに本部へ連絡してくれた。
連絡が終わるまで少し待つことに。

「話してもらうぞ。どうやってあの状況から逃げおおせたんだ?」

そりゃ無事でなによりなわけだが、どうにも引っかかる。
全速力で逃げればそれで良かった話だったのだろうか?

「目に見えぬスピードでモーションしてきたにゃ」

「それってクロック……」

「あいや待たれよ、それ以上は!!」

何かを察したムシャモンに止められた。

「ツカサ、ここから先は禁則事項にゃ」

人差し指(?)で口を塞ぎながらウインクを投げてきた。
み、ミラクル……
♂じゃなければ、萌えていたぜ。





ムシャモンは腕組みをしながら何やら難しい顔をしていたが、
やがて口を開いた。

「やはり、今回の報酬はないのだろうか?」

そりゃ気になるよね。
お金目当てで請けた仕事だったのだ。
疲労や時間を考えると
まぁ失敗と言えばそうなるのかもしれないが、そもそも話が違うのだ。
あんな化け物が出てくることは想定していない。

「交渉次第だけど、情報料くらいはもらえるかもしれないにゃ」

ブチはその辺の事情に詳しいみたいだ。

「……うむ、デリートされたデジモンたちには悪いが、こちらも食い繋いでいく必要があるのでな」

また日を改めると言い残し、ムシャモンはギルドを出て行った。





「そういやブチ、あのデジモン、この村にまで来ないよね?」

それが一番の懸念事項だ。

「大丈夫にゃ、ツカサは何も心配することないにゃ!」

今日は帰るにゃ!と言って、さっさとギルドを出て行く。
俺は釈然としないままその小さな背中を追った。





翌日。

「ごめんブチ、なんか今日はボロボロだぁ……」

起きてからどうにも体の調子が悪い。
昨日色々あって疲労が一気に襲ってきた感じだ。

「わかったにゃ、今日は僕ひとりで行ってくるにゃ」

「すまない我が忠義の猫よ」

今日の食料確保をブチに任せて休むことにした。
自分よりもずっとブチの方が疲れているはずなのに、あいつはケロっとした顔をしていた。
いや、あいつは猫だ。
この場合は“うにゃっとした顔”というべきかもしれない。
とにかくすごく眠い。
横になって目を瞑った。





気づけば森にいた。
おかしい。
確かに寝ていたはずだ。
というか勘弁してくれ。
森はもうこりごりだ。トラウマだ。

「やぁ、初めまして」

「うわっひゃぁ!!!」

変な悲鳴を上げてしまった。
我ながら女々しいやつだ。

「ははは、驚かせてすまない」

声をした方を向くと、なんか自分とそっくりな姿のデジモンがいた。
正確には、色を反転させたようなデジモンだ。
全身白い衣装で、氷の結晶を模した杖を持っている。
ヤバい、こいつ俺の体を乗っ取ろうと画策している刀の精霊的なサムシングじゃね?

「大丈夫、君をどうこうする気はないよ。僕はソーサリモン、このデジタルワールドとは違う世界、『ウィッチェルニー』のデジモンさ」

ウィッチ? 魔女とか魔法使いのアレか?

「そうそう、理解が早くて助かるよ。今、君の頭に直接語りかけてる。声だけじゃ混乱するかなって思って景色とボクの姿もイメージとして投影したんだけど……少し失敗だったかもね」

気遣いがかえって悪い方向に行ってしまうのことはよくあること。
実は、俺の足は産まれたての鹿のような状態になっている。
森怖い、暗い、変なやつ来た。
母さ〜ん、ブチ〜、ヘル〜〜〜〜プ!

「あはは、まともに話を聞いてもらえないねこりゃ。ちょっと模様替えでもしてみようかな」

ソーサリモンが、ステッキとを魔法使いよろしく、くるっと振るうと周りの景色が見慣れた部屋に変化した。
おぉ〜いつものいつもの!
俺はガキか!

「それじゃ本題。昨日、君はある物を見たね?」

昨日のっていうとあれか。
チャリンコデジモンだっけ?
どう見てもあれを自転車とつなげるには無理がある。
自転車のペダルと名前のペタルが似ていただけだ。

「ん〜……やっぱり話が進まないから、しばらくこちらの話を聞いてもらおうかな」





ソーサリモン曰く、
昨日遭遇したデジモン、ペタルドラモンはムシャモンが言っていたとおり、伝説のデジモンであり、森に生息していることはありえない。
考えられるのは、なんらかの異常なエネルギーが付近にいたデジモンに干渉して異常な進化を発現したということ。
その異常なエネルギーをこのデジタルワールドでいくつか観測したという。
ウィッチルニーとしては別世界のことなので、関与しないのが当然だが、自分たちの世界にも影響が出ることも想定して、可能な範囲で助力をしていくことにしたという。
しかし、それは飽くまで非公式での関与。
そして、

「君たちからもその異常なエネルギーを感知した。しばらくは何かするつもりはないが、監視はさせてもらう」

き、君たちって……

「うん、君とブラックテイルモンさ。また何かわかったら、こういう形にはなるけど、連絡するよ。大丈夫、就寝中を狙うからさ」

日常生活に支障をきたさないということか、お気遣い痛み入ります。
しかして突如、景色が暗転する。





目を開けると、自分のベッドで寝ていた。

「夢じゃ……ないよな……」

「夢の中へ〜夢の中へ〜行ってみたいと思いませんか〜にゃはっは〜♪」

もうこの猫、俺の世代に生きていた気がしない。

「ブチ、ごめんな。体力はたぶん回復したと思う」

「気にしなくていいにゃ。お肉もらってきたにゃ〜」

やっぱり今日もお肉ですか。大変よくできました! ちくしょう、米が喰いたい。





さらに翌日。

「というわけで、今日はツカサを特訓したいと思いますにゃ」

「なぜ特訓?」

「特訓すれば、強欲幹部も学園長もヒロインの親父もぶっ倒せるってタチb」

「わーわーわーわーわーーーーーーーーーーー!!!!」

まったく、油断も隙もあったもんじゃないぜ、この世俗に塗れたオタク猫が!
しかし、特訓っていうとあれだな。

「ブチ先生、それは戦闘訓練的なアレですか?」

「モチのロンだにゃ」

まぁ身を守るくらいの訓練は必要だもんな。
アラフォーのおっさんは運動不足なのだ。
腹は出ていないが、腕も足も女性モデルのように細い。
ウィザーモンは魔法使いだからいいんだい!

「ではツカサくん! まずはこの巨大な岩玉……ではなく、巨大な泥玉を壊すことなく受け止めてもらうにゃ!!」

巨大なシルエットにボロ布を剥がすと、確かに直系2mほどある泥玉が出現した。

「製作に5時間かかったにゃ! 僕の努力が無駄にならないように真面目にやってほしいにゃ」

「はい、一生懸命やらせていただきます!」

だってそうだろ? 俺のために5時間かけて……俺のためだよな? 楽しんでないよな?

「そんじゃ、レッツらゴーにゃ!!」

ジャンピングネコキックを放ち、泥玉がゆっくりと俺の方に転がり始めた。
今立っているところは、ゆるやかな勾配になっている。
ブチが上で、俺が10mほど下にいる。
徐々にそれは近づいてきて、

「うっしゃ! バッチこい……ちょ、この、うぉぉ、なんの、この、せい! え、あれ、ちょ、う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

視界がぐるぐる回って止まった。

「大丈夫にゃ!?」

ブチが駆け寄ってきたが、しばらく目が回って動くことはできなかった。
泥玉は壊れるどころか、その圧倒的な重さと体積で林の入り口にめり込んだ。
デジモンで、成長期以下であれば圧死していたところだ。
ブチ、恐ろしい子……5時間の熱血は無駄になったけどな。





場所を変えた。

「筋力の前に体力をつけるにゃ! 覚悟とかそういう精神論は後でどうにかなるにゃ」

本当かよそれ……いや、今は気にすまい。
健全な魂は健全な肉体に宿る。
いつものとんがり帽子とローブを脱いで、ランニングをすることにした。
10年以上も運動らしい運動をしていないもので、明日以降の筋肉痛が怖いが、なかなかに気持ちいい。

「ツカサ、とりあえず村の外を100周にゃ!」

「100周!? 初日から飛ばしてないか!?」

しかし、意外や意外。走れるものだった。
これがデジモンの力か?
なんで筋力には還元されていないんだ!?
いやしか〜し、食べるものがやばい美味い。
肉しかないけど、いつもの何倍も美味い!
人間のおっさんでダイエット中なら、きっと失敗するパターンだ。
体力面はなんとかなりそう。……続けばだけどな。





「じゃぁ、魔法はボクが教えてあげよう」

夢の中、昨夜のソーサリモンが語りかけてきた。
睡眠学習ってやつだな、ロマンがある。
でも、どうせ枕元でささやいてくれるなら美人がいいなぁ。

「教えるのは我慢してほしいけど、機会があれば、ウィッチェルニーの可愛い娘を紹介してあげようか?」

ウィッチェルニーの可愛い娘……魔法使いの女の子……魔女……
鼻がやたら高い双子の老婆の顔が浮んだ。
凍らされてから燃やされそうになるのを想像して顔が青くなった。
反射する盾など持っているはずがない。

「あはは……じゃあ早速始めようか」

実は、俺ウィザーモンは、ウィザードっぽい名前と格好をしているくせに魔法が使えません。
デジモンって自分の技は本能で出せるものじゃないのか?と思ってブチに相談したら、サムズアップしながらドヤ顔でこう言った。
『目覚めよ、your soulにゃ!』
相談した俺が馬鹿だったよ、子猫ちゃん。

「攻撃魔法自体は別に難しくはない。使いたい魔法をイメージして、魔力を手放すように打てばいい。問題は魔力をいかに節約して使えるかなんだ」

そりゃ燃費が良いに越したことはない。

「でも、攻撃の威力に応じて、魔力を体外に押し出すための魔力量も重要なんだ。威力が大きくするほど、押し出す魔力もそれに比例した大きさにしなければならない」

なるほど。押し出す魔力だけ大きくしても燃費が悪くなるし、威力を抑えれば命取りになると。

「バランスも大事だけど、魔力の総量、乗り物に例えれば燃料タンクってことになるけど、これが大きければ戦闘では有利になるよね。たま数が多ければ攻撃のチャンスはそれだけ多くなる」

理屈はわかる。
MPが多いとそれだけ強力な技が撃てたり、回復アイテムの消費が抑えられるのはゲームの基本だ。
ゲームに例えるのは不味いかな?

「タンクを大きくしたいなら単純な話さ。使い切って、たくさん寝て、回復したらすかさず使い切って寝る。」

レベル制のアクションゲームだなそれ!?
やっぱ考え方はゲームが基本でいいみたいだ。
まじかよ。

「おっと、話がそれちゃったけど、君の場合それ以前の問題でしょ? まずは魔法をまともに使えるところからだ。イメージトレーニングだよ」

イメージトレーニングか。
技名は確か、『サンダークラウド』。
雷雲を呼び出し、雷を落とす技だ。
まずは雷雲を……

「ところで、雷雲ってどうやって発生するか知ってるかい?」

え?





目が覚めた。
と理解できたのは、自分が横になっているから。
ずっと起きていた感覚なので、気づけば魔法使いの師匠がいなくて、ブチがせっせと朝食の準備をしていたという状態。
ブチはもはや嫁である。雄だけど。

「おはようにゃ! ご飯できたにゃ、あ・な・た(はあと)」

「いつもありがとうな、ハニー」

疲れていたのだろう、三文芝居にライトに乗ってやった。
日本人なら、朝食はご飯と納豆と味噌汁、焼き魚なんかもあると豪勢だ。
忙しいサラリーマンならパンと牛乳くらいは食べるが……

「今日はお肉のおひたし、お肉の味噌汁、お肉の漬物にゃ!」

「混沌お肉三昧!!」

壁に自ら頭を打ち付ける。
いやだ、こんなお肉だらけの生活いやだ。
こんな村、とっとと出てやる!
住人は良い人、比較的治安は良い。
見知らぬ土地での生活環境としては破格だ。
誤解をしてはならないのは、日本が異常なのだ。
道端で酔っ払って、明け方まで寝ていても風邪をひく程度ですむが、外国なら身ぐるみをはがされるどころか、殺されるところだってあると聞く。
落し物だって割と高い確率で戻ってくる。
あの国は平和だ。
わかっている、わかっているのだが……

「ブチ、俺バトルに向いてないわ。ランニングだけは続けるし、体力ついたら新天地目指して旅に出るから」

「にゃにゃ!? そんなのお母さん許しませんにゃ!」

ちゃぶ台をひっくり返すかのようにテーブルを叩くブチ。
田舎で育った子供が都会に行くことを反対する母ちゃんみたいな構図になった。
と言うか、これでは父ちゃんだ。さっきまで嫁だったのに……

「あんたが思っているほど世の中は甘くないのだにゃ。凶暴なデジモンに瞬殺されるがオチにゃ!」

「あのチャリンコデジモンみたいなのがたくさんいるってこと?」

「……そうだにゃ」

「今の間はなんだよ?」

「……」

「……」

「と、とにかくダメったらダメなんだにゃ!」

ブチは俺を村から出したくないらしい。
ここはパラ●イムシティなのか?
よし、ここの住人に色々と聞き込みしてみるか。
今まで世間話程度で、歴史みたいなことを勉強していたわけではなかった。
とりあえず、もう食べ飽きたお肉の朝食を食べて出かける準備をする。

「お留守番よろしく!」

「僕も一緒に行くにゃ」

「だめ〜」

「なっ、連いてくにゃ〜連れていくにゃ〜、てか連れてけにゃ!」

下手な3段活用だな。
ボケのキレが落ちている……何か焦っているのか?
とにかく1度エリアを出てみるのもいいかもしれない。

「まぁとりあえず、今日のところはいつものランニングに行ってくる。ブチは今晩の食料の確保をお願い」

「……本当かにゃ? 僕に内緒で“いいとこ”行くんじゃないのかにゃ〜?」

ははは、デジタルワールドにそんなところがあるのかよ?
人間だったら探しに行くくらいはしたかも、だっておっさんだもの。

「う〜〜〜、まぁいいにゃ。四六時中、僕といるのも息がつまるのかもしれないにゃ。憂さ晴らしでもしてくるにゃ」

「そうさせてもらうよ」





親元を離れた子供のように、足取りは軽い。
一番早くこのエリアを出るときは東に向かえばいい。
エリアを抜けた先には砂漠が広がっていると聞いたことがある。
なぁに、片足つっこむ程度の話だ。
気分展開と見聞を広げるのもたまには良いだろう。
そんな気持ちでぶらぶらと村のはずれに来た。
ちょっとした林を抜ければエリアの境界だ。
さてさて、砂漠ってのも前世では見たことなかったからなぁ、やっぱ暑いのかなぁ?
夜は寒いって聞いたことはあったけど。

そろそろ林の切れ目だ。
何か開けた感じの風景がちらりと見えた時だった。
向こうから誰かが歩いてくる。
もちろん、デジモンだろう。
しかし、どう見てもシルエットが人間みたいだ。
スタイルの良い8頭身、足元まである丈の長いコート、マフラーを巻かずに肩に引っ掛けている
手には長細い何かをもっていた。
映画でみたことがある。重火器の類だ。

「ふん、ウィッチェルニーのガキじゃねぇか。一人でこんなところブラブラしてっと、俺みたいな悪者にデリートされちまうぞぉ」

姿がはっきりした。
人間のように見えたそれは、口元から下。
鼻から上は角の生えた狼のような獣面のデジモンだった。
背中に悪魔のような翼もあった。
これはやばいと頭の中で警鐘が鳴っている。
そもそも格下のデジモンとも戦って勝てるかも怪しいのに、強そうなデジモンを目の前に、俺はまたしても足がすくんだ。
ペタルドラモンの時はブチとムシャモンのおかげで逃げおおせた。
だが、今回は俺一人。
ちょっとした油断がまさに命取り。
なんでフラグじみたことに気が付かなかったんだ俺は!?

「なんだよ、足が震えてんぞ? 情けねぇな」

ニヤニヤしながら近づいてくる。
別に殺すとか言われていないわけだし、このまま素通りしてもらえるんじゃなかろうか。
甘いかな?
すれ違いざまに帽子越しに銃口を突きつけられる。
甘かった。

「あんまりない経験だろ? どうだぁ、死に際の世界はぁ?」

銃口が突きつけられるのは生きた心地がしないと言われるが、まさに今がそれ。

「あ、あっ……し、死に死にたくあああああありまありまありま」

「死にたくないってかぁ!! はははははっ、命乞いだなそいつは! さぁて、どうしてやるかなぁ〜?」

もはやこれまで!なんて思う余裕すらない。
声を絞り出すだけで精一杯だ。
だが、

「やり過ぎだ、アスタモン!!」

刹那、空気が重たくなった気がした。
そして、砂漠の入り口に、黒い靄が出現した。
声はそこから発せられたようだ。

「ちっ、管理者様のご登場ってかぁ? いいとこなんだから邪魔すんじゃねぇよ、デーモン!!」

赤黒いローブで全身を覆った不気味なデジモンが姿を現す。
デーモンというらしい。
アスタモンと呼ばれたデジモンと同じく、頭には角、背中には羽が生えていた。
そいつは、巨大な右腕で払いのける動作をする。
銃口を離せをいう指示だったのだろう、アスタモンがそれに従い、俺から離れた。

「運のいい野郎だな」

つまらなそうな顔をして、デーモンに近づいていく。
助かったのだ。
あの悪魔の名前そのままのデジモンに感謝しなくてはならない。
今なら、邪教徒になってもいいかもしれない。

「じゃあなぁガキィ、命は一つしかねぇんだ、大事にするんだな!」

アスタモンは振り向いて言い放った。
デーモンが出てきた亜空間へアスタモンが入っていった後も、俺はしばらく動くことができなかった。
ちびるかと思った。
しかし、ペタルドラモンと順番が逆だったことを考えると、きっとやらかしてしまっていただろう。

「帰るか」

今、俺の冒険が終わった。



つづく


スレッド記事表示 No.4993 転生したおっさんは元飼い猫とデジモンやっています1−1tonakai2018/05/27(日) 22:20
       No.4995 転生したおっさんは元飼い猫とデジモンやっています1−2tonakai2018/05/29(火) 21:31
       No.4996 転生したおっさんは元飼い猫とデジモンやっています1−3tonakai2018/05/30(水) 21:57
       No.5000 転生したおっさんは元飼い猫とデジモンやっています1−4tonakai2018/06/02(土) 19:04
       No.5001 キャラ紹介と今作についてtonakai2018/06/02(土) 19:18
       No.5004 頭空っぽの方がネタ詰め込める夏P(ナッピー)2018/06/10(日) 17:03