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ID.4911
 
■投稿者:ぱろっともん 
■投稿日:2018/02/27(火) 23:15


それは悪魔の様に黒く 四話 前
蘭は古文が比較的得意で、比較的好きだ。

とはいっても文法とかは好きではない、好きではないけど亜里沙にテスト前とかには教えてもらっているお陰でちょっと相性が良かったりすると解説を読まなくても内容がざっくり読み取れたりする。

逆に言えば大体の場合解説を読まないと古文が読めていないという事であるのだが、好みかどうかはできるかどうかではない。好きこそものの上手なれという言葉がある一方で下手の横好きという言葉もまたある。

蘭が古文が好きなのは、現代文以上にわからないからだ。現代文はわりと詳細な様子が書かれていたりする。そして時代背景もある程度わかる。わからないという事は想像する余地があるという事。

最近蘭が読んで面白かったと思ったのは古文の先生が時間余ったし、教えた文法で読めるからと紹介した話。蘭はその話の老いた武士が手加減などされないよう髪を黒く染め死ぬまで戦っていたことがわかった時には思わず興奮したりもした。

まぁかといってその興味は勉強の方には向かず、どんな顔だろうとプリントの空白を埋め尽くすように落書きをするわけだが。

授業が終わっても蘭はガリガリと落書きをする。お世辞にも将来は絵の仕事にというのが現実味を持つような上手さはない。本当にただ描くのが楽しいだけで本人に技術を向上させようという気もない。

授業を軽く流し、休み時間も落書きをし、昼休みだけ四人で食事を取って、そのまま放課後を迎える。そのルーティーンも今日は土曜なので関係なしだ。

用事は何を隠そう補習である。正確には補習、というよりは補習や追試にならない為に学年主任でもある国語の先生が、成績やばい奴はせめてこのプリントだけでも取りに来い一応土曜はいるからその場でやって職員室来てくれれば質問も受け付けるぞ、というそういう感じ。

内容としては主に古文や漢文なんかの文法の復習だったり、現代文のおさらいであるのだが、蘭としては結構楽しくそれに通ってた。

勧められるほど成績が悪いわけではないのだが、その先生が苦手な生徒でもなんとかやらせようと試験の様に文の中で問題を出し、それについての文法の解説のプリントも置いてそれでもわからなければという熱心な力の入れようで、選ぶ話もわりと意味が分かれば面白かったり、剣を振り回したりするような興味を惹きやすい話を選んでいると、蘭みたいに勉強を特にする気はないけどプリントの本文と訳文は欲しいという生徒も数人いる。

それに関してその先生はせめて古文の方も読もうとしてから訳文を読むことと言っている。蘭は不真面目だがせめてとか言われると弱いので一応読む。

そして気づく、これ落書きしまくったやつと同じ話だ。

なーんだと帰ろうとして、ふと教室の隅に昨日見たばかりの長髪の男子がいるのに気づく。

昨日はなんとなく女子だと勘違いしてたせいでなんかぎこちなくなってしまった。謝ったほうがいいのかな、フランクに声をかけたほうがいいのだろうか。でも声をかけられても困るのでは?私なら困る。ましてや、ブサイクだ。げっ歯類と見紛う出っ歯の私に話しかけられたら向こうも嫌かもしれない。よしやめよう。

蘭は見なかったことにすることはできず、してるのかしてないのかわからない様な会釈だけして教室を後にする。

その時葵も、昨日のお礼も言いたいしリアルで好きなアニメ同じ人に会ったの初めてだしもっと話したい、声をかけようかどうか迷った挙句、嫌われているとしたら迷惑に違いない、とやめていたことは当然気づかずに。

そして、一人の女子が尋常じゃない目つきで蘭の背中を見つめ、教室を出たのを追って立ち上がったのにもまた気づかなかった。

蘭は人気のない廊下を歩き、寒いから自販機によって温かいものでも買ってから玄関に向かおうと、中庭近くの購買前に向かう。

いざそこに辿り着くと流石に後ろから追って来てるのに蘭も気づく。でももしかして自販機を使いたいだけなのではと自販機の版を譲るジェスチャーをすると、その女子生徒ははぁと口を開けて大きく息を吐いた。

そして、その姿はケンタウロスのような形の姿に、しかし馬ではなく赤い鎧をつけた黒い牛の姿に包まれていく。

その両手がおもむろに人の体でいえば腰、牛の体でいえば前足の付け根のあたりに挿した二本の剣に向かう。

「あー、あー、エカキモン?エカキモンから見てあれって、その、あれだよね?」

蘭がテンパってかけた言葉に、慌てて実体を持ったエカキモンも頷く。

「そう、ですね……委員長って土曜日学校きてますかね?」

「それは……エカキモンは、その、そういうこと?」

「ですね、まともに相対したら三秒保たないでしょう!なにか、なんでもいいので描いた絵などは?私のそれに大切なのは完成度よりそう!イマジネーション!」

蘭が焦りながら鞄を漁り出す。それを見て、わざわざ待っていたかの様なそのデジモンははぁとまた大きく息を吐き出し、剣を構えた。

「あ、エカキモン!これ!」

取り出したのは国語の教科書、に挟まれた先生のプリント、その余白が黒くなるほど埋め尽くす落書き。

イエス!とエカキモンが叫び、プリントに手を伸ばす。

それを開戦の合図と取って走り来るそのデジモンに、プリントから飛び出した何かが正面からぶつかっていって切り結んだ。それは馬に乗った侍だった。

「オォォォッ!!」

雄叫びを上げて剣を振りかぶり打ち付けるそのデジモン、それを馬に乗った侍が避ける避ける。そして強く刀をぶつけ合うとデジモンの方の剣が弾かれた。

「お主が組み合うのは日の本一の剛の者ぞ」

髭面の侍がそう言って刀を振るうとそのデジモンの鎧はその一撃に耐えきれず粉砕され、その体は大きく揺られる。

それを見て蘭は呆気にとられていた。

「……なにあれかっこいい。というか私全身の落書きしたっけ?」

「まぁ、大切なのはイマジネーションであって描かれた絵ではないみたいなので」

「あー、つまりアレ?あの、アレ?あー、私の考えた最強にかっこいい……えーと、斎藤別当実盛?」

まぁみたいなものですとエカキモンが肯定する。

はーと口が半開きになったまま蘭は、その赤地の錦の直垂に、萌黄縅の鎧を着て、クワイの葉の形をした前立をつけた甲の緒を締め、黄金づくりの太刀を帯び、二十四本差した黒と白のあざやかな矢を背負い、滋藤の弓を持ち、黄金で縁を飾った鞍を置き、模様が連なった銭のようになっている葦毛の馬にまたがりと、古文のプリントに書かれたままの姿の筋骨隆々の男の背中を見る。

とは言ってもだ、見る人が見ればおかしいと突っ込むところは幾らでもある。蘭の想像が反映されたその馬はサラブレッドかよと思うような体高で、斎藤別当実盛自身もどこのプロレスラーだよと思うような二メートル近くある巨体。鎧の下がボディビルダーもかくやと言わんばかりの筋骨隆々なのは疑いようがなく、食事事情から考えても考え難い。

まぁしかし、そんなことは関係ない。鼻が高すぎるとか日本人顔じゃないとかもそんなのはどうでもよい。

蘭がかっこいいと思って描いたものは現実のそれではない。フィクションである。実在の人物団体はモデルにしたとしても一切関係ありませんので悪しからず。というところ。

蘭が読んだところに書かれていたのは平家物語の一場面、実盛が手塚光盛に討たれたところである。手塚が行くまで一人で奮戦した実盛、一人で奮戦し手塚が行くまで味方はすでに敗走を始めている圧倒的劣勢の最中でありながら誰も討ち取る事ができなかった実盛のその文を読んでその設定を考えていた。

「ところで蘭にいいお知らせと悪いお知らせがありますがどちらから?」

「嫌な予感しかしない」

「では良い方から、まぁ、おそらくあの斎藤別当実盛さんは勝つでしょう」

「悪い方は?」

「私の能力的体力的な都合であと三分とその存在がもちません」

なるほどなるほどと頷いて蘭は鞄を取り上げて中庭の方へと走り出した。

依然、実盛は優勢だが、最初に一撃入れた後は膠着状態で、最悪三分ならば睨み合っただけで終わってしまいそうな感じがあった。

エカキモンも蘭の後を追い、中庭へ。そして蘭は中庭の半ばまで来てそれが悪手だった事に気づく。

校内よりも当然広いから太い腕で刀があっても振り回せる。校内の廊下より蹄も滑らない。そして何より、そのデジモンがあくまで蘭を狙っていたことが誤算だった。

そのデジモンは馬の足元に片方の剣を投げつけた。どれほど鋭かろうと何度も打ち合った剣、それも無造作に投げたのだからまともに切れるわけはない。しかし、それでもその重みで馬の歩みを一瞬止めるには充分。

そうして稼いだ数秒は蘭達に向かってそのデジモンが駆け出すにもまた充分だった。

「あー、今更ですが、竜美か世莉に連絡してればよかったですね」

半ば諦めた笑みを浮かべるエカキモンに蘭も視界が滲んでくるのを感じる。大きく剣が振りかぶられ、蘭からかエカキモンからか、どちらでもという状態になるまで実盛を振り切ってからほんの数秒。

完全に殺したとそのデジモンも確信しただろう完全な間合いそれ以上逃げようがない体勢。

しかしその剣が二人に振り下ろされることはなかった。

「ヴァァアアァァアッッ!」

デジモンが痛みに叫びながら右腕をどこともいえない場所で振り回す。その手の甲には矢が一本。

蘭の考えた最強にかっこいい斉藤別当実盛はどう考えてもあり得ないだろう素早い動きでもって弓を構え矢をつがえ、そのデジモンの手の甲を射抜いていた。

しかし喜びも束の間、実盛の姿は不安定になり、二つ目の矢をそのデジモンの後脚の腿に命中させると霞のように消えた。

「さ、斎藤別当実盛さんが……エカキモン、もう一回とかは……」

「無理です!インターバルないとできませんし……その絵に込められたイマジネーションは今消費してしまいましたから、未使用の絵が必要です」

逃げ続けるしかない。一度引きかけた涙がもう一度あふれ出してくるのを蘭は感じた。

幸運な事にか、実盛が自分の消える事さえわかって射ったのか、後ろ足の太ももを射抜かれたそのデジモンは走ることは難しいようで蘭とエカキモンが走れば走るほど距離は開いて行く。

それも蘭が失速し始めると今度は逆に歩幅の差で距離が埋まって行く。

中庭を渡りきる頃には距離は剣が届くか届かないか、振り下ろそうと振りかぶったらばその一瞬で剣の間合いから逃れられるだろうが、あと一歩縮められたら間違いなく斬られるというような限界ぎりぎりの距離。

そこで蘭が見たのはまた絶望するような光景。校舎に通じる扉が閉まっている。

開けるほんの一瞬立ち止まれば剣は届いてしまう。ゼーゼーヒューヒューと痛む肺を堪えながら戻るしかないとドーナツ状になっている中庭を回って元の方へ。

戻って戻って今度こそ校舎の中へというところで蘭は前方に人影を見た。視界が滲んだままだったせいで誰かよくわからなかったが、その人は蘭の方に向けて手をまっすぐに出し、それに呼応するかのように背中から蘭ぐらいなら握りつぶせてしまいそうな巨大な腕が出てくる。

今度こそ終わったと覚悟した蘭の頭の上を通り過ぎ、巨大な手は長い指で消しカスでも払うようにそのデジモンを一度軽くはじき、開いた手のまま牛の上半身を抑え込むようにまっすぐに張り手で突き飛ばした。

そしてもう一つ出てきた巨大な手が失速した蘭とエカキモンを掬い上げて手前へと引き寄せる。

「あ、あの、大丈夫?」

蘭もやっと溜まった涙を拭う余裕ができて慌てて拭う。いたのは葵だった。前に突き出した手は攻撃するように突き出したのではなくこっちにと差し伸べられていたものだった。

今度こそ助かったらしいと安心すると蘭の足からは力が抜ける。本来ならすぐにでもお礼を言いたいのに、全力で走っていたせいで呼吸が整わなくて咳き込んでしまう。

葵は蘭の隣に座ってその背中をさする。

「……あ、りがッゲホッ、あり、がとう……」

そうお礼を言いながら下から見上げた葵の顔は近くで見ると蘭が思っていた以上に整っていた。

あ、これ私の顔がよくて健気な感じで二次元ならオープニングテーマが流れるようなやつだ。多分メインの攻略対象というよりサブ気味のキャラとの出会いの一場面かなにか、後の展開でもっと明るくて似合うような服を着せたりとか髪型を整えて見違えるようになるような展開があったり、急に人気が出た葵君との関係に悩んで身を引こうとするような展開があるやつだ。私の立ち位置がもっと可愛ければ例えば亜里沙さんならよかったのに。白河さんは白河さんでいいけど……

なんて思いながら蘭はちゃっかり今の図を頭の中に刻み込む。

エカキモンもバテて、ゼーゼーゲホゲホ言いながら蘭のノートの表紙に指のクレヨンでありがとうと書いて見せる。

「えと、あの、ところでなんだけど……この状況は……どうしようか?」

ネオデビモンの張り手が効いたのか、それともその前の実盛の攻撃が効いていたのか、女子生徒の姿に戻ったそのデジモンが中庭に倒れているのが少し落ち着いた蘭とエカキモンにも遠目に見えた。

どうしようと互いに何か言わなきゃいけないような気がするけど仲良くもないし何を言えばいいのかわからないし、解決策も浮かんでないのに話し出すべきではないのではという沈黙を保って互いに顔を見合わせたり倒れている生徒を見ていると、ふと葵が逆に校内の方を見た。

「……誰?」

ネオデビモンの右腕が三人を庇うように出され、葵がそう問いかけると両手を挙げて、一人のショートヘアで制服の女子生徒が出てきた。土足の学校なので珍しくはないのだがスニーカーを履いている。

「襲ったりとかはないから安心してよ。聖の関係者って言えばわからない?ん?彼にもその話はされてるんだっけ?」

前日の事は一応葵も聞いてはいた。五クラスこの学校には二年のクラスがあるが、葵のクラスは世莉達のクラスと聖のクラスに挟まれた位置にある。そして状況的に葵も無関係とは言い難いと竜美が説明していた。

「まぁ、何というか……今までもこういう事はそこそこあったから、その度に処理してたのは僕達。委員長は委員長で別のツテがあるみたいだけど、委員長が認知してないのは大体僕達。聖の右腕的なのが僕、平岡と」

平岡は頭を軽く掻いてからそう話し、手を横に向けるとそこに赤いマントを着た白い鎧のようなものに身を包んだ竜人が現れる。至る所に突起や刃がある姿はぺこりとお辞儀をする態度と裏腹に非常に攻撃的に見えた。

「僕、セイバーハックモン。これから処理が行われるが耳を塞いでいて欲しい。忘れない方が互いに都合が良いと思うんだ」

そのセイバーハックモンが、出て来たらと背後に声をかけると、物陰から髪がいつもより一層ボサボサで上着のボタンなんか掛け違えている世莉とレディーデビモンが出てきた。

呼んだんでしょと平岡とセイバーハックモンに言われるが生憎蘭には心当たりがない。あれ?と思って携帯を見ると着信履歴の十八分前に世莉の名前があった。不在着信で三回ほど。十八分も前だとまだ襲われてもないから完全に気づかなかっただけではあったのだが。

「……私が勝手に来たの。昨日の今日だし、もしかしてすでに何かあったんなら私に飛び火されても困るなと思ってね」

うんうんとレディーデビモンが後ろで頷いているが、蘭は口元がにやけそうになった。どう考えても飛び火されても困るなという焦りようではない。それに、蘭は普段世莉がバスなのを知っている。

直線距離を自転車で来れなくもないがそれだと二十五分はゆうにかかる。レディーデビモンの力も借りて可能な限り早く来ようとしたのが蘭からは明らかだった。

「……まあ、それならそれで。聖からは守ってあげてと言われたけども」

大体自分もあれには狙われてるのに自分の言うことを聞くわけでもない相手の事をそうすぐに気にしたりなんかして僕が側にいない時に何かあったら一体どうするつもりなのかと、ぐちぐちぐちぐち独り言を始める。

それにどう反応したものかわからないがとりあえずと、世莉とレディーデビモンは蘭達の側に。ボタンの掛け違いに気づいたレディーデビモンがしれっと直したりしてるのを見ないようにしながら蘭と葵が怪我してないかどうかを確認する。

ふと、ガチャとスピーカーから音がして平岡もはっと気が付いたように顔を上げた。

「あ、耳塞いでおいて。今から事後処理始めるから」

セイバーハックモンに言われるがままに世莉達は訳が分からないながら耳を塞ぐ。

塞いだ耳にも部分的に聞こえるぐらいの声でスピーカーから歌声が流れてくる。三分間程流れ少しあたまがぼーっとなるのを振り払いながら蘭が周りを見渡すと、世莉が魂が抜けたようにぼーっとしてた。

それに気づいてレディーデビモンが頭に手を差し込むと今起きたみたいにハッと顔を上げる。

「……こっちの方の切り札の一つでさ、まぁなんか、暗示を極端にかけやすくする事ができるんだ。この能力でとりあえず目撃者を黙らせて、なかったことにする。完全体とかにはあまりかからないけどデジモン知ってる相手には口封じしてもしなくてもあんま変わらないし。今日はやってたことは派手だけど幸い壊したものはないしこれだけで十分」

平岡はそう言ってから、少しこの後時間ある?と世莉達に聞いて来た。

土曜日だし、暇だったから世莉は来れた。蘭は問題を一応は解いて答え合わせもする気だったし、他にやる事があったらまず来ない。

「うち、近くだから」

平岡がにこっと笑って振り返るとセイバーハックモンが姿を消す。無防備に背中を晒されて、蘭はどうしたものかと世莉を見る。葵も釣られて世莉を見て、それに追従するようにエカキモンも世莉を見る。実体こそ持っていないがネオデビモンもそうしているのが世莉には見えた。

まぁ情報は欲しいと、世莉は蘭の手を掴んで平岡の後を追うと、自転車取ってくるから校門で待っててと言って葵にも手招きをして自転車置き場に三人で向かった。

「今のうちにとりあえず状況確認しましょ、何があったの?」

「なんか変なデジモンに襲われて、それでこう……斎藤別当……というかなんか、エカキモンとこう応戦して、それで……えーと、なんかこう色々とあって不利な感じになって、逃げ回ってたところにこう、葵くんが来て、ネオデビモンの腕がビューッ!バシーンッ!て感じに助けてくれた」

抽象的な説明だったがとりあえず襲われて二人でなんとかしたんだということを確認して世莉は首を傾げる。

「……平岡さんは今の話のどこに?襲って来た変なデジモン?」

「平岡さんはなんか終わってから出て来て、そこから世莉さんも見てた感じ」

「……何考えてるか僕にはわからない」

二人の返答に世莉はなんか嫌な予感がするとレディーデビモンに目配せした。

レディーデビモンがくいと顎で指した方向にはセイバーハックモンが監視するように立っている。余裕で、おそらくはレディーデビモンに対して手さえ振ってくる。

「……これ、行ったら白河さんいて戦うことになるパターンじゃないわよね」

委員長に電話しようかどうしようか。そう考えてふと思いついて、世莉はとりあえず校門まで行こうと自転車を押す。

校門のところに立っていた平岡さんはこっちこっちと手を振って合図をしてくる。

「……ところで、行ったら白河さんいたりしない?」

「しないしない。聖は確かに黒木さんは異様に意識してるけど、聖は本人が言う通りの人間だから」

今やると少なくとも一人傷つけるつもりがない相手も傷つけそうだと蘭の方を見て平岡は言う。

世莉はその発言自体は信じつつ、しかし葵もカウントされてないのは心に留めておく。


スレッド記事表示 No.4882 それは悪魔の様に黒く 三話 前ぱろっともん2018/02/15(木) 13:36
       No.4883 それは悪魔の様に黒く 三話 後ぱろっともん2018/02/15(木) 13:38
       No.4886 な、なんて能力だってばよ……!夏P(ナッピー)2018/02/16(金) 23:46
       No.4891 この学校…ヤバイッ…!マダラマゼラン一号2018/02/17(土) 22:21
       No.4901 感想ありがとうございます。ぱろっともん2018/02/20(火) 21:55
       No.4911 それは悪魔の様に黒く 四話 前ぱろっともん2018/02/27(火) 23:15
       No.4912 それは悪魔の様に黒く 四話 後ぱろっともん2018/02/27(火) 23:20
       No.4915 真の主役登場夏P(ナッピー)2018/02/28(水) 21:02
       No.4927 感想ありがとうございます。ぱろっともん2018/03/13(火) 23:33