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ID.4816
 
■投稿者:マダラマゼラン一号 
■投稿日:2018/01/20(土) 15:12


六月の龍が眠る街 エピローグ
 ボクは今、闇の中を飛び出して世界には羽ばたこうとしている。







 ボクの周りを取り囲む硬い壁を壊せるようになるまで、少し時間がかかった。これをやるのは二度目だというのに、全く情けないものだ。







 生まれ直すというのはおかしな気分だ。かつての体の記憶は残っているが、わずかに霧がかかったような部分もある。








 ボクは暗闇の中で、その一つ一つをじっくりと眺め直すことができた。








 一番楽しかったのは、やはり死ぬ前の最後の半年だ。たくさんの新しい仲間たち、いろいろな事件。相棒とともにその解決に臨むことは、ボクに戦いの時とはまた違う喜びを教えてくれた。







 この壁を破った先はどこだろう? あの仲間たちの元だろうか? そうだったらいいな、とボクは思う。彼らと再会できた時に言うことはもう決めているのだ。







 思うように動かない体に力を入れて、壁を破る。その隙間から光が差し込んだ。外の世界で何やら人々がざわめいているのが聞こえる。







 外から誰かが壁を叩いた。手伝ってくれるのだろうか。失礼な。これくらいは自分でも破れる。







 そしてようやく壁−−卵の殻を破って外に出たボクを、仲間達が抱きしめた。







 待ってくれよ。君たちばかり喋ってないで。僕にも言いたいことが沢山あるんだ。







 でもボクの口には妙なおしゃぶりがついていて、ろくに喋ることもできやしない。緑色のゼラチン質の体では、身振り手振りでも何かを伝えられないだろう。






 まあいいか、ボクは思う。ボクが卵の中にいる間に、いろんなことがあったのだろう。でも、彼らは笑っている。















 みんな、ありがとう。ボクと、サトルから。








Fin.


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