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ID.4761
 
■投稿者:ぱろっともん 
■投稿日:2017/08/06(日) 23:00


アオミドリ色の景色 【第三景ミドリの友達とその仲間達2】
アオとクレラはまたトラックのところに向かっていた。クレラは教会に、村に戻るとは言わなかったが、アオはそうするべきだと考えて、そこに向かった。

なんとか続いていたトラックのタイヤ痕を伝って二人は教会に辿り着いた。

すぐに鼻をつく匂いがして、クレラはアオの背中から急いで降りると走り出した。

無残に晒された死体を見て、クレラは胃の内容物を撒き散らしながら泣いた。もちろん、埋葬されてるなんて思ってなかった、だけどあまりにも無惨だった。そこには慈悲も死者への敬意も何もなかった。アオも近くに行ってそれがどれだけ酷いものが知った。

致命傷の他にいたぶったような傷がただ多いというだけではない、そのほとんどが、死後つけられたものだった。

人間の奴隷は、主に若い方が売れる。傷などももちろん無いほうがいい、神父もシスターも、軍の部隊のカウンセラーとしてついて行ったわけだが、当然一緒に行けるよう当時は若かった。

どういう事かと言えば、どちらとも商品価値があったという事。ピッドモンと神父は抵抗された時の為に殺す必要があった。でもシスターは売るつもりだった。だから神父を庇って死んだシスターも庇われた神父も、商品をダメにしやがってと憎んだのだ。

クレラは一通り泣くと、教会の中に入った。中は当然荒らされている。金目の物などなかったのでそれはただ荒らされただけでしかない。

クレラは神父とシスター、それぞれの聖書等のクレラが覚えている限りの葬式に必要なものを集めると、葬式を行った。

それはあまりに拙く、また、クレラが見たことがあるものがそもそも物資が足りない為に簡略化したりしたものであった為、ほとんど祈りを捧げただけに等しかった。

そうしてから、クレラは、教会の中に入ると自分の服や必要そうなものを集め、リュックに無理矢理押し込むと、アオのところに戻ってきた。その手には神父のものだった聖書があった。

「いいの?それは埋めないで」

アオがそう聞いたのはシスターの方は生前愛用していた聖書も埋めていたからだ。

「はい、私は、持ってなかったので、自分のそれを。だから、私はもらいます、そのそれを」

アオはわかったと返事をしてから、リュックに入れないと落とすと注意した。

クレラが背に上ると、アオはもう一つ質問をした。

「君は、人間界に帰るの?」

「私は、帰らないです。私は、生まれていません、人間界で。神父様も、シスターもいないです、人間界に」

「そっか、じゃあミドリを探す途中で、クレラが住めそうな町があったらそこに移住する。って事でいいかな?」

「はい、私はそうします」

うん、とアオは一つ頷いて走り出した。クレラはじっと後ろを眺めていたが、三十分ほどでそれをやめた。最後には景色は滲んで見えなくなっていた。

土の上には爪の跡が深く残って教会の前まで続いていた。


スレッド記事表示 No.4760 アオミドリ色の景色 【第三景ミドリの友達とその仲間達1】ぱろっともん2017/08/06(日) 22:57
       No.4761 アオミドリ色の景色 【第三景ミドリの友達とその仲間達2】ぱろっともん2017/08/06(日) 23:00