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ID.4750
 
■投稿者:パラレル 
■投稿日:2017/07/16(日) 14:08


What is the cage? 3-4
 4.




「うん、紙の本というのも悪くない」
 アースガルズ社本社ビル37階、エレベーター近くの廊下。その隅で壁にもたれて文庫本に視線を向ける男が1人。異変に気を向けることなくマイペースを貫くその姿を見れば、誰でも文句の1つは言いたくなるだろう。彼の服装はこのビルに勤めている警備員のそれなのだから。
「そこの君、こんなところで何をしているんだ! 1階の状況は聞いているだろう」
 実際、彼に声を掛ける人物はすぐに現れた。ブランド物のスーツを着こなし、腕には細やかな装飾が輝く銀時計。ワックスで頭髪を固めたその初老の男性は優秀な社員なのだろう。それなりのポストに居ることを無意識のうちにアピールするほどに自社に誇りを持っている。素晴らしいことだ。彼も声を掛けてくれたのがその男性であったことを心底喜んでいた。
「ええ、よく知っていますとも。いやはや仲間達が奮闘してくれているようで」
 飄々とした姿勢 スタンスを崩さず、彼は右手の文庫本を閉じて男性に身体を向ける。緊張とは程遠い余裕に満ちた振る舞い。心の奥で緊張感を隠し切れない男性にとって、一警備員がその振る舞いを見せたという事実はどう映ったのか。
 関心よりも先に出たのは劣等感と恥辱。自分の方が彼を使ってやっているという力関係にも関わらず、自分よりも堂々と知った風な口を利いている。それがただ不快だった。
「知っているではないだろう! なら、なぜ」
 沸点の低いその男性は感情に任せて彼の胸倉を掴みあげ、そのまま壁に背中を押し付ける。そのまま勢いに任せて唾と怒号を飛ばすが、その勢いが激しくなることはなかった。
「――待て。君の言う仲間とは何だ? 何を指している!」
 それは男性が彼の発言の不可解な点に気づいて一瞬冷静さを取り戻したため。現在までのキャリアの中で得た、様々な経験が警鐘を鳴らしていた。言葉の真意を理解できなければ、自分は大きな過ちを犯すことになると。
「惜しいな、あんた。――でも、駄目だ」
 尤も、理解するだけの時間を用意されているかは別問題。男性が胸倉を掴んだ段階で相手は攻撃に移っていた。使い魔 サーヴァントを介した電脳のハッキングという攻撃を行う輩は限られている。警察か軍か――ギルドのテイマーか。

 call Wisemon

 use-skill "Pandora Dialogue"

 skill: "Red Eye"

 skill: "Eye of Nightmare"

 skill: "Snipe Steal"

 彼の使い魔 サーヴァントは記録と再生に特化した技能 スキルを持ち、使い魔 サーヴァント技能 スキルもその対象である。
 "Pandora Dialogue"は再生の技能 スキル。連続で再生される技はそれぞれ違う使い魔 サーヴァント技能 スキルだ。拘束の魔眼 レッドアイ魅了の魔眼 アイオブナイトメアの重ね掛けにより、男性ごとその使い魔 サーヴァントを完全に掌握。男性が自身の変化に気づく頃には既に、彼は3つ目の技を用いて目的を達成していた。
 余談だが、エレベーターの制御もこの使い魔 サーヴァントマスターだからこそできたこと。この使い魔 サーヴァントが記録・再生できる技能 スキル使い魔 サーヴァント技能 スキルだけでなく、人の技能も含まれている。記憶から引き出して記録することさえできれば、文字通り彼にできない技能 スキルは存在しなくなる。エレベーターの制御だけでなく、ビル中の監視システムそのものを止めることも。
 既に彼の仕事は終わった。異変を察知して動き出した幹部から、真の標的に繋がる記憶を奪ったこの瞬間に。
「張っておいて正解だった。あんたという上玉の記憶に出会えたんだから」
 Wisemonという優れた使い魔 サーヴァントを扱う彼――JMこと、ミヤモト・ジョウジにも得意な分野がある。それは記憶の操作。電脳の記憶領域 メモリーだけでなく生脳の記憶領域 メモリーにも一切の痕跡を残さずに記憶の読み書きを行う彼はいつしか「記憶屋」という二つ名で呼ばれるようになった。
「『記憶屋ジョニィ』をよろしく。ま、憶えてはいないだろうが」
 本人としては「記憶屋ジョニィ」とひとまとめにして呼んで欲しいのだが、その希望は今のところ叶ってはいない。




 call Duskmon

 use-skill "Geist Abend"

 2階、兵器開発本部開発二部。ここでは主に対人用の銃火器の設計・開発を行っている。利益は安定しているが、社全体に占める割合で見れば少ないため、社員は打開策を考えろと無駄に尻を叩かれているのが近況。今日も今日とて、納期に怯えながら当然のように社員の70%が残業していた。
 そう、確かに彼らは残業をしていた。だが、それは過去の話で、現在この開発二部に所属している社員の全員が机に突っ伏している。
「お勤めご苦労様」
 それはただ彼らが蓄積していた疲労に耐えられなかった訳ではない。5分ほど前にこの階に上がってきたアンジュによって意識と身体の自由を奪われたのだ。彼らは今、言うなれば催眠状態に陥っている。
 彼女の使い魔 サーヴァントは、1階で見せた黒曜の獅子や戦士とは似て非なるもう1つの側面を持つ。電脳空間 サイバースペース内で存在する、骨に似た黒い鎧を纏う二刀流の剣士がそちら側に属する形態の1つ。この階の人々の自由を奪ったのは、その鎧に埋め込まれた7つの目の力によるものだ。
「さて、何から頂こうかしら」
「……待て」
 この階の制圧は終わった。そう思うには少し早かったようだ。波を打つような音とともに、軍服に身を包んだ一団が廊下の奥から姿を現す。私設軍の別部隊か。単なる別部隊であれば良いのだが、見て取れる装備や練度の違いからそれは無い。
 彼らはアースガルズ社私設軍、特務部隊。私設軍の中でも情報戦に特化した部隊の一部が2人の前に居た。
「下級の量産型でもない使い魔 サーヴァントを、こうもまあ雁首揃えたものだな」
「あたしらが言えたことじゃないけど」
 
 use-skill "Geist Abend"

 今回の敵は数だけでなく、個々の質も馬鹿にはできない。先手を打って仕掛けた催眠の呪術も先頭の四人がよろめいた程度。それなりの対抗策を持っている辺り、この数を相手にするのは流石に骨が折れそうだ。
「派手にやれとは言われたけど、面倒事はごめんだっての」

 Slide Evolve Beast

「ああ、間違いない」

 call Wolfmon

 ghost_flip

 アンジュは使い魔 サーヴァントを獣の形態へと進化させ、細やかな技術を犠牲に出力をより増強。一方でザクロは再度使い魔 サーヴァントに身体を明け渡し、彼に刻み込んだ体術の経験にすべてを託す。
「あたし達で動きを縛る。あんた達で順次始末して」

 use-skill "Master of Darkness"

 アンジュの電脳に宿る紅い骨の巨鳥が声を上げる。聞いた対象を自身の色に汚染して操る呪いの叫び。人型の姿よりも強力な洗脳の力は、リオンのそれとは異なる原理で似た結果をもたらす。
 前衛の数人が糸で引っ張られたかのように動きを止める。同時にザクロの身体が2本の光剣で正面から斬り込む。狙うは隊列の2段目。動きを止めた1段目に意識を奪われた隙を突き、一気に隊列を崩しにかかる。
「……なるほど」
 振り下ろした光剣は誰の腹を断つこともなかった。標的は一切動じることなくエネルギーの刃を機械義手 サイバーアームの左腕で受け止め、逆に空いた手で拳銃 ハンドガンを突きつけている。彼以外が構える銃口も悉くザクロの腹を向いていた。
「ごめん。こっちも駄目みたい」
 加えて動きを止めたはずの1段目も既に自由意思を持っている。既に彼らの使い魔 サーヴァントの色は、アンジュの使い魔 サーヴァントが染めた黒ではなく、漂白剤をぶちまけたような白に染まっている。彼らにはもう催眠も洗脳も通用しない。
 急襲は完全に失敗。アンジュの力は効果を得られず、ザクロの身体は四方八方から銃口を向けられている。
「仕留めろ」
「く……」
 隊長の指示で私設軍は一斉掃射。鋼鉄 クロームを容易く貫通する特殊弾がザクロの身体を襲う。身体を操る使い魔 サーヴァントは即座に、思考をテイマーの生存を優先するように変更。正面の弾丸を光剣で捌きながら、背後の弾丸は足捌きで可能な限り避ける。避けきれていない分は妥協。だが、その一発一発が与えるダメージも見逃すことは出来ず、機械義肢 サイバーウェアのフレームを歪ませる。立ち回りでなんとか近場の敵を捌けてはいるが、倒した直後に新たな敵が前に出て銃を向けてくる。
「ザクロ! でも……こっちもダーリン、が」
 アンジュの方も他人を心配していられるような状況ではなくなっていた。彼女の使い魔 サーヴァントに対しても熾烈な攻撃が行われていたのだ。電脳空間 サイバースペースで繰り広げられるそれは、巨大なモンスターを標的にした一方的な狩りの様相を呈していた。弓を持った天使、二刀を操る金色の剣士、杖を操る水魔、城壁に似た黒い巨体。彼らを初めとする大勢の使い魔 サーヴァントが、アンジュの使い魔 サーヴァントたる巨大な怪鳥に向けて一斉に攻撃を仕掛けていた。怪鳥の身体には数多の傷が刻まれ、その羽ばたきにも力はない。墜ちるのも時間の問題だろう。
 多勢に無勢。このままではいずれ力尽きることが目に見えている。
「すみません。我が主」
『馬鹿野郎。諦めるにはまだ早いだろう』
 生きぎたないのが地下都市 アングラ育ちの根性というもの。このまま死ぬのはザクロもアンジュもごめんだ。それにザクロの言葉もただの痩せ我慢から出た訳ではない。切り札は本当の窮地に使うから切り札なのだ。

 ghost_flip

 Ancient Evolve level_Y

 意識を身体に戻したザクロが叩きこむのは、彼の使い魔 サーヴァントをそのルーツへと進化させるコマンド。電脳空間 サイバースペースに立つのは、白銀の鎧に身を包んだ狼の騎士。金色の大剣を2本掲げる姿は、ザクロの身体を動かしていた2つの姿とは似て非なる存在だ。例外的 イレギュラーな立ち位置だった進化段階は一気に最高クラスの格へと上昇している。
「何か来ます」
使い魔 サーヴァントに迎撃させろ」
 ザクロの振る舞いが変わったことにすぐ気づく辺り、練度はやはり高い。その情報を知った上で的確な対応が取れることも称賛に値する。――しかし、今のザクロ達には遅すぎた。
「――とまれ」

 use-skill "Absolute Zero"

 瞬間、ザクロの周囲に群がる部隊全員の使い魔 サーヴァントが機能を停止する。文字通りの強制停止。絶対零度 アブソリュートゼロの名に違わぬ強力さだ。
「な、に」
「構うな。仕留めろ」
 使い魔 サーヴァントが動けなくなったとしてもそれを宿すマスタはまだ動ける。その事実に気づいて任務に戻る私設軍の姿勢は、ギルドの一員としてぜひ見習いたいところ。ザクロとしても切り札を使ったはいいが打てる手はもう無い以上、彼にできることは状況の流れに身を任せることだけ。

 use-skill "Necro Eclipse"

 ザクロに打てる手は無いが、アンジュには打てる手がある。彼女の使い魔 サーヴァントもザクロのそれと同じようにルーツの姿へと進化。黒い神獣 スフィンクスとなった使い魔 サーヴァントの技は既に、ザクロが凍らせた敵へと届いている。――最も有名なスフィンクスの1つは「冥界の入口の守護者」として信仰されていたという。
「安らかにお休み」
「な、にぉ……ぐぁ……」
 この階に居る私設軍の使い魔 サーヴァントは皆、黒い球体に包まれた後に消滅していた。電脳を通して繋がっているマスタの脳機能諸共。
 ばたりばたりと次から次へ倒れていく部隊の軍人。文字通り全滅するまでさほど時間は掛からなかった。
「なんとかなった……く」
 宣言通り生き残ることはできた。しかし、窮地を切り抜けるために使った切り札もノーリスクという訳ではない。使う側の電脳にも大きな負担が掛かる類の物なのだ。おかげでこれから数日ほど2人は電子戦は不可能になる。
「ここでリタイアか。まあ、仕事は果たしたし許してくれるでしょ」
「十分十分。大人しく隠れるのが正解だ」
 2人ともギルドの中でも上位だという自覚はあったが、今回はここが引き時。これ以上無茶ができるのは、より強い輩かより馬鹿な輩のどちらかだけだ。




 47階、技術統括部。この階の面々の対応は迅速だったらしく、ケイジらが侵入した頃には既に社員の姿は1つも見えない。特に目を引くようなものも無く、同じ景色が延々と流れていく。
「情報通りに行けばこの奥、と」
「MJを信じてやろうではないか」
「逆です、逆。大昔のエンターティナーみたいになってます」
 それでも足を止めないのは標的がこの階にあるという確信があったから。だからこそ、ケイジ達主犯格三人に加えて、ライモンとルカというギルドの頂点に位置する2人がこの階の担当を担っていた。少数精鋭で1番の戦力を揃えるだけの理由がここにはある。
「あらぁ、出待ちしてる子がいるみたいよ。もぅ、その気持ちだけでルカルカはクラクラしちゃうぞ☆」
「待ち伏せ、ね。……三十路過ぎの自覚ある?」
「三十路過ぎじゃないですぅ〜。年齢非公開の永遠の17歳ですぅ〜」
「2で割ったらね」
「お喋りね〜。まな板の妖精さんは」
「そっちのメロンは腐りかけでしょ」
「寿命が伸びる程美味しいです〜。……って、誰の果実が腐ってるって?」
「2人ともそこまで。来るぞ」
 ルカとリオンの口喧嘩で脱線しかけたが、伏兵が居ることは間違いない。ギルドの中でも索敵能力に優れた彼女には生半可な隠蔽工作は効果はない。とはいえ、彼女が居なくとも伏兵が潜んでいることは容易に想像できる。自分達の標的があるということは、相手からすればそこに弱点があるということ。弱点をわざわざノーガードにしておく理由はない。
「特務部隊の……選抜隊」
「なるほど。それは強そうだ」
 護衛が優秀であればあるほど、彼らが守る対象の重要度は高く見積もれる。どうやら同僚が得た情報に間違いはないらしい。それを証明するには前方から迫る一団を切り抜ける必要がある。アンジュとザクロを苦しめて戦闘不能にさせた部隊、そのエリートの中のエリートを相手にすることになったとしてもだ。
「ガハハハハ!! よい。存分に仕合おうぞ」
 この状況に対して一切動じることなく高笑いできるのが、フラノ・ライモンという男。脳筋にして大雑把。豪放磊落を地で行く彼にとって敵が何であろうと問題ではない。問題なのは、敵が自分の力に耐えられるかということのみ。

 call Mercurymon

「では手始めに――散れ」
 平常時とは一転して、静かに2文字の言葉を告げる。瞬間、部隊の最前列に位置していた兵士十人が何の予兆も見せずに後方へと吹き飛ぶ。吹き飛ばされた兵士も、その後ろでとばっちりを受けた兵士も、使い魔 サーヴァント共々ノックアウト。彼らは自分の身に何が起こったかも知ることすらなかった
 ライモンの強さは速さ。電脳の性能 スペックを限界まで引き出し、常に先手を取って使い魔 サーヴァント技能 スキルを叩きこむ。その技量を「神速」と評する者も居る程だ。
「ふむ。ジャブのつもりだったのだが……練度が足らんぞ、練度が」
「か、掛かれ!」
 一蹴。腕を組んで豪快に笑う口元に反して、彼の目に喜びはない。まるで期待外れと言わんばかりの態度だ。圧倒的な力とそれに準じた振る舞い。それを前にして怯んだのが一瞬で済んだ辺り、特務部隊のエリートもただのお飾りという訳ではないらしい。
「よかろう。相手をしてやろうではないか」
 その度量に全力を持って応えることが、ライモンという男。こういう性格だから、実力はあっても潜入など静かに取り組む任務が不可能だった。だが、正面から堂々と戦うことにおいて彼の右に出る者は居ない。

 use-skill "Thousand Fist"

 テイマーに応えるように、ライモンの使い魔 サーヴァント――狼のマスクを被った緑の狩人が雄叫びを上げ、相対する敵の使い魔 サーヴァントを片っ端から殴り飛ばしていく。50を上回る粒ぞろいの集団を前に不敵に笑う姿は戦闘狂 バトルジャンキー。彼の滅茶苦茶な活躍のおかげで陣営にはすぐに一つの穴が開く。
「ここは私に任せて先に行けぇえい!」
「言いたかっただけでしょう、それ。では、ありがたく行かせてもらいます」
 その穴を突いて、ケイジとリオン、アーミテジの三人が一気に飛び出す。
「……邪魔」
 先頭はリオン。小さな身体に不釣り合いなコートを盾代わりに弾丸の雨を抜け、進路を阻む相手は魔眼で動きを止めて押しのける。その後をケイジとアーミテジが追い、背中を掴もうとする兵士の手を払いのける。
 僅かな攻防を経て一気に疾走。遥か奥に潜んでいる標的目掛けてただ足を動かす。
「この……待て」
 それでも意地と根性のある一部のエリートはケイジ達の追跡を開始。優れた判断力と行動力には目を見張るものがあるとケイジは敵ながら感心していた。彼にそれだけの余裕があるのは、自分が対処する必要のない問題だと割り切っていたからだ。
『あっれ〜、いったいどこ行くのかにゃ〜★』
 ちっぽけな意地すらもあざ笑うように聞こえる、甘ったるい猫撫で声。電脳を介して聞こえるその声は、ケイジを追うという行動をした者にのみ向けたマエノ・ルカからの死の宣告 メッセージ。彼女が一度補足した以上、彼女の使い魔 サーヴァント――半人半魚の海神が持つ、海王の牙 キングスバイトから逃れることは叶わない。

 use-skill "Vortex Penetrate"

「逃・が・さ・な・い・ぞ★」
「か、ハ」
 海神が投げた槍はわずかなずれを産むことなく、追跡者の使い魔 サーヴァントの腹を穿つ。だが、真に驚異的なのはその連鎖的な軌道。それはある標的への最短距離ではなく、捉えた標的すべてを仕留める最短距離。その魔弾のごとき軌道から逃れる術はなく、一度ケイジ達を狙った者は皆、意識外の不意討ちによって機能を停止させていく。追跡者を狙う追跡者。それがケイジ達が後方にほとんど意識を向けずに集中できた理由だ。
「そろそろ目的地だ」
 追手をライモンとルカに任せ、作戦の中核を担う3人は駆ける。罠は飛び越し、伏兵は振り切り、ロックは半ば力押しでこじ開ける。それを繰り返すこと2分。彼らの目の前には1枚のドアがあった。
「あれか。力づくでこじ開ける」
 アーミテジが右手の機械義手 サイバーアーム機構 ギミックを起動。超高度の槍と化したその手を掲げ、内部に充填したエネルギーを持ってドアを破壊する。その奥にある標的――アスク・エムブラへと干渉するアクセスキーの持ち主と相対するために。




 


スレッド記事表示 No.4747 What is the cage? 3-1パラレル2017/07/16(日) 14:06
       No.4748 What is the cage? 3-2パラレル2017/07/16(日) 14:06
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       No.4754 What is the cage? 3-8パラレル2017/07/16(日) 14:12
       No.4755 あとがきパラレル2017/07/16(日) 14:13