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ID.4690
 
■投稿者:すすやん  MAIL
■投稿日:2017/01/03(火) 21:57


RE:デジモンアドベンチャーtri.二次小説 【2007年元日】3/3
「今のお二人、まるで夫婦みたいだね」

笑顔のまま、そう言って来た。

「えー、 なになに賢くん? なんの話ぃ〜?」
「タケルくんと芽心さんが夫婦みたいって話」
「賢くん!」

笑顔のまま、からかうなんて賢くんも人が悪い。恐らくだけど、私は耳まで真っ赤にしているに違いない! でも、タケルくんは何食わぬ顔で返すんだろうな…。
そう思って目の前の賢くんと京さんを見ると、2人とも驚いた表情をしている。横のタケルくんに目を向けると、口をわなわなと動かし、完全に耳まで真っ赤にしている。こんなタケルくん、初めて見たかも。

「なあ〜、メイコ〜。お雑煮、まだぁ〜?」
「あれ?タケリュ、顔真っ赤だよ?」

メイちゃんたちがお雑煮の催促にやって来た。どうもパタモンはタケルくんの表情に気がついた様だ。

「うっ、うるさい! 芽心さん、早く俺たちもお雑煮食べたいな!」
「はいはーい! 私もお代わり!」
「私も私もぉ〜」
「恐縮ですぅ〜」
「みんなが食べたら、ボクらの分が無くなっちゃうよ〜」
「メイも食べたいだがん!」
「あっ、ヤマトもうすぐ来るみたい」
「太一さんとヒカリさん、大輔くんもこちらに向かっているそうです。丈さんと伊織くんが何か足りないものはないですか、って連絡がありました」
「それなら紙皿とコップをお願い。京ちゃん、家から持って来たものを並べましょ」
「ハーイ、空さん了解です!」

やっぱりこれだけ人数が集まると、家の中が狭く感じる。

「なんかうるさくなっちゃったね…」

横のタケルくんが少し引いた表情をしている。でもこうなったのはタケルくんの所為ですよ!

「ごめんね。でも、芽心さんがお雑煮に食べたそうだったし…、それそれに…」
「それに何ですか?」

澄まし顔で少し頬を赤らめたタケルくんに尋ねると、

「俺も…芽心さんのお雑煮、食べたかったから…」

そうして私を横目でチラッと見た。もうそんな表情をするなんて、反則です!
タケルくんの中学生の男の子らしい照れた表情に私は引き込まれる様に見つめてしまった。

カラン。

その為、音がするまでお玉を手放した事に気付かなかった。

「あわっ!」
「大丈夫⁉」

慌てて床にしゃがみ込む私とタケルくん。私たちの手が同じタイミングでお玉に触れる。それは私たちの手が重なった事を意味する。
顔を少し上げる。ほんの数センチの距離にタケルくんの顔が。
フランスのクォーターなのでとても端正な顔立ち。とても金髪と碧眼によく似合っている。肌は白いが決して青白い訳ではなく、少し朱色が入った快活さを連想させる。タケルくんと瞳が合った。それはほんの一瞬のはずなのに、その深い蒼に引き込まれそうになる。心臓は早鐘を打ち、体温が上がるのを感じた。

そして…

私の唇を熱い唇が触れた。

私は立ち上がると、お玉を洗いに流し移動する。タケルくんは鍋の火を細めている。

「メイ? 顔赤いでぇ?」

ニコニコした笑顔で寄ってきたメイちゃんが私を見るなり、不思議そうに聞いてきた。

「大丈夫だけ。すぐお餅お椀によそうね!」

私はお鍋を見ているタケルくんの横に移動する。お餅をよそいながら、横目でタケルを見つめる。タケルくんも先ほどより顔が赤い事が見ていてすぐわかった。私は唇に触れる。まだその熱と柔らかさが残っている。

「芽心さん…」

タケルくんは私の方に顔を向けると、小さく息を吐いて、いつもの優しい笑顔で、

「今年もよろし___」

ピポピポピポピポピポピポーンピーンポーン!!

やかましく鳴る呼び鈴。

「あっ! 太一たちかも。私が出るね!」

パタパタと玄関に向かう空さん。

「タイチぃ〜、ボクもうお腹ぺこぺこぉ〜」
「ホントお前ブレないな!」
「あぁ! 甘いいい香りぃ〜!」
「ヒカリ、あまり食べ過ぎるなよ!」
「チビモン! 餅何個食えるか勝負だ!」
「おう! オレ負けないゼ、だいしゅけ!」

更に賑やかになって来た。うーん、落ち着けるタイミングはいつ来るのかな? そもそも私たちはお雑煮を食べれるのだろうか?

「タケルくん!」

私は殺意を込めた目で大輔くんをにらむタケルくんの服の裾を引っ張り、その耳元で、

「取り敢えず、私とタケルくんの分は確保しておくので、後で2人でゆっくり食べましょ?」

そして、その勢いのまま、彼の頬にキスをする。さっきの事があった所為か、いつもより大胆になっている様だ。驚くタケルくんに私は微笑み返すと、お雑煮を載せたお盆をダイニングへと持って運ぶ。タケルくんはパタモンと何か言い合っているが、気にしない。

「お待たせしましたぁ〜
「わーい、お餅ぃ〜」
「あー、外寒かったから、あったかいぜんざいが沁みる〜」
「ヒカリちゃん、これぜんざいじゃなくて、メイメイの実家のお雑煮なのよぉ〜」
「熱っ!」
「やっぱ、テイルモン、猫舌なのか…」

今しがた来たばかりの太一さん達、お代わりを要求したミミさん達、そしてメイちゃんに。

「はい、メイちゃん。ようがんじがんじして食べるだで?」
「だがん! なぁ、メイコ?」
「なに、メイちゃん?」

メイちゃんはソファに立ち、私の耳元に口を寄せると、

「さっき、チューしとったな!」
「メイちゃん、見とった?」
「だがん!」

満面の笑みで答えるメイちゃん。私が気恥ずかしく感じていると、

「2人とも仲がえー感じだけん、メイも嬉しいだがん!」

嬉しい事を言ってくれる。私はメイちゃんの頭を撫でると、嬉しそうに耳を動かしている。

「ヤマト達、到着したよぉ〜」

ピヨモンがヤマトさん達の到着を告げる。
その後ろにヤマトさんとガブモン、伊織くんとウパモン、丈さんとゴマモンが入ってきた。

「なんだよ、結構食いモンあるじゃないか!」
「だから言ったろ? そんなに持っていかなくていいって」
「お邪魔します」
「うまそーな、匂いだぎゃ!イオリ、オレも食っていいキャア?」
「いやー、やっぱり受験を考えないお正月はいいね! 彼女とゆっくり大晦日から過ごせたよ」
「ジョー、鼻の下伸びてたぞ…」
「ゴマモン…、余計な事は……」
「あとさ、初詣の後で彼女の部屋で2人でなにモゾモゾして___」
「ゴマモーーーン! 伊織くんの前でーーー!」
「丈さん、大丈夫です。大体わかりますから…」
「なんの話キャ?」
「丈さんと彼女さんがジョグレスしてたって___」
「伊織くん!そんな風に育てたつもりは___!」
「まあ、落ち着けよ丈…。タケル、作ってた角煮や煮物持ってきたから、盛り付けてくれ」
「僕も黒豆を持ってきました。タケルさんお願いします」
「ちょっと2人ともいきなり…。芽心さーん、お皿どれ使ったらいい?」
「ああ、私がやりますけん!」
「いいけん、芽心さんは座ってて!」
「いえ、そういう訳には…」

私がキッチンへ移動しようとするのを空さんが止めた。

「まあま、芽心ちゃん! ちょっとは休みましょ。タケルもこっちきて! 」

空さんは私をソファーに座るメイちゃんの横へ座るように促す。

「ハイ、タケルくんも座って!」

そして、タケルくんは私の横に。

「ボクもタケリュの横ぉ〜」

パタモンがタケルくんの横に移動する。

「料理は私とヤマトで盛り付けるから、安心して! ハイ、ヤマト手伝って!」
「決定事項かよ……」
「あっ、僕も手伝いましょうか、空さん、ヤマトさん」
「いい心がけだ、伊織! いいか、料理の盛り付けはセンスだ! 見た目が綺麗だと、その味も___」
「どうせ、大輔さんたちが食い散らかすので意味ないです。そんな事を言っているから、ウザがられるんです」
「だぎゃ!」
「確かに言えてる」
「…………母さん、伊織が反抗期…」
「誰が母さんよ! 失礼しちゃう!」
「空は気配りが出来る”イイオンナ”っよ!」

楽しそうな会話がキッチンから聞こえる。

「よーし、エンモタケナカ! 太刀川ミミ、歌いまーす! ほら、京ちゃん、ヒカリちゃん! それにこーしろーくんも!」
「えっ⁉ 僕もですかっ⁉ 」
「今や、行きなはれ、光子郎はーん!」
「ミミィ〜! アタシも踊るぅ〜!」
「お姉様ぁ! “My style”でいいですよね?」
「京しゃん、音源はここでしゅよ」
「うーん、踊れるかな……?」
「大丈夫だ、ヒカリ! あれ程、動画サイト見て練習したじゃないか!」
「ほら、ジョーも行けよぉ〜」
「いや、踊れないし! てか、ここで踊ったら近所迷惑だし! それと、”宴もたけなわ”だし!」
「賢ちゃん、ボク小刀パラパラ踊れるよ! ほら、見て!」
「ワームモン、たくさん足を動かさないで。キモチワルい…」
「ワームモン、いいなー。ダイシュケ、オレもパラパラ踊る!」
「よーし、一緒にやるか、チビモン、ワームモンモン! ほらっ、一乗寺も!」
「いやー、この鳥取の雑煮うまいな! ヤマト、お代わり!」
「僕もお餅たーっぷりで、オカワリー!」

本当にやかましい___楽しい新年会になってきた。タケルくんは苦笑いを浮かべながら、テーブルの料理に手を付ける。パタモンもメイちゃんも料理に夢中だ。
本当にこの楽しい時間が続けばいいなぁ。

「ねぇ、タケルくん?」
「えっ、な芽心さん?」
「今年も、そしてこれからもよろしくお願いします」

そう言うと、タケルくんはニコッと笑い、

「さっきちゃんと言えなかったけど、俺の方こそ、よろしく!」

こうして、私たちの2007年は始まったのでした。



「…………ヤマトさん」
「…………どうした伊織?」
「さっき、タケルさん。”いいけん”って、方言出てましたよね?」
「…………気づいたか?」
「感染ってましたね、方言」
「ああ、感染ってたな……」


スレッド記事表示 No.4688 デジモンアドベンチャーtri.二次小説 【2007年元日】1/3すすやん2017/01/01(日) 20:10
       No.4689 RE:デジモンアドベンチャーtri.二次小説 【2007年元日】2/3すすやん2017/01/02(月) 22:24
       No.4690 RE:デジモンアドベンチャーtri.二次小説 【2007年元日】3/3すすやん2017/01/03(火) 21:57
       No.4718 めざせ方言マスター夏P(ナッピー)2017/05/10(水) 23:42