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ID.4689
 
■投稿者:すすやん  MAIL
■投稿日:2017/01/02(月) 22:24


RE:デジモンアドベンチャーtri.二次小説 【2007年元日】2/3
「ごめん、芽心さん。お雑煮口の合わなかった?」
「えっ⁉」

俺は初詣を終えても最寄駅に移動中に芽心さんに尋ねた。
朝ごはんの後、丁度昼前にミミさんがやってきてほぼ強制的に初詣に向かう流れとなった。メンバーはミミさん、光子郎さん、京さんに賢くんと兄貴に空さん、芽心さんと俺、そしてそれぞれのパートナーだ。太一さんとヒカリちゃん、そして大輔くんはサッカーの試合観戦に、伊織くんと丈先輩はそれぞれは家族と彼女と初詣に出掛けてしまったそうだ。
やはり元日は初詣客が多く、みんなばらばらになってしまったが、とりあえず参拝を終えて、事前に確認しておいた時間に最寄駅で集合する形となった。
俺は芽心さんと一緒に行動し、丁度2人っきり(正確にはパタモンたちはいるんだけどね…)になったところで先程の疑問を口にしたのだ。

芽心さんはバツが悪そうな表情を浮かべ、

「美味しかったのは本当です。ですけど……」

言うか悩んでいる風だったが、意を決した様に頷くと、

「違ったんです……」
「? 何が違ったの?」
「お雑煮が違うんです」

いまいちどう答えていいかわからない俺を察したのか、芽心さんは順を追って説明に入った。

「やっぱり、子供の時から親しんできたものなので、ほぼルーティーンと言っていいのでしょうか? いつもと違うお雑煮を食べると、なんかしっくりこないんですよね……」

なるほど。自分がイメージしたものとは別物が出てきたんでびっくりした、と言ったところか。

「じゃあ、芽心さんのお雑煮ってどんなの?」
「あずきです!」

えっ?

「あずきを甘く煮て、そこに茹でた丸餅を入れたものです」

熱く語る芽心さん。でも、それって……、

「ぜんざいだよね?」
「違います! お雑煮です!」
「でも、作り方同じじゃあ……」
「同じですけど、お正月に食べるのでお雑煮です!」

自分で同じって言ってるじゃん……。しかし、芽心さんの熱弁は止まらない。

「大体、ヤマトさんの出したのだってお吸い物にお餅入れただけじゃないですか! 確かに美味しかったですけど…。正直、全国の人って味噌汁とかお餅を入れるだけでお雑煮って言っているんですよね? はっきり言って理解出来んっていうか、あれを食べてもお正月がきた気分にはならんですよ。やっぱりお雑煮はあずきで作った奴でないと___」
「メッ…メイ………」

メイクーモンに声をかけられ、ハッとする芽心さん。俺の顔を見るなり、耳まで真っ赤にして、

「すみません! 鬱陶しかったですよね! 本当にすみません!」

余程俺の顔が引いていたのだろう。芽心さんはペコペコ頭を下げている。

「でも確かに、兄貴が作ったのとは別物だもんねー」
「ええ、でもスイッチが入らないは本当ですよ…」

少し悲しい表情を浮かべる芽心さん。メイクーモンもそんな芽心さんを見て寂しそうだ。
俺はしばらく考えると、

「芽心さん、家空いてるんだよね?」
「えっ⁉ はい。3日には両親帰ってきますが…」

なら、と思い俺は兄貴に電話を掛ける。

「兄貴? うん。お願いがあるんだけど、集合場所と時間を変えたいんだ。………うん、ごめんね………。そう、ありがとう! それで場所だけど………」

「ただいまぁ〜」

帰宅の挨拶をしてもそれに返す言葉はない。私はメイちゃんと買い物袋を掲げ、家へと入る。

「おじゃましま〜す」

私に続いてタケルくんも家に入る。頭にパタモンを載せ、両手に私と同様に買い物袋を下げている。
私はメイちゃんをテレビのソファに座らせ、「準備するけん、大人しくしとってな」と告げる。メイちゃんは「だがん!」と元気よく返事をして、後から飛んできたパタモンと一緒にテレビを見始めた。

私はキッチンに移動すると、買ってきたジュースを冷蔵庫に入れる。エプロンを着て、手を洗い、買い物袋からチキンロールを取り出すとまな板に載せて包丁を入れた。

「芽心さん、俺も手伝うよ…」

恐る恐る私の機嫌を気遣う様にタケルくんは尋ねてきた。私は手を止め、フーッとひと息吐いて、

「お惣菜をお皿に盛り付けといて下さい。あとお菓子もそこの棚にある器があるけん、それに!」

私は事務的に答えた。タケルくんは、はい…、と答えて作業を進める。
無言。私は黙々とチキンロールを切り分ける。タケルくんは買って来たお菓子をお皿に盛り付ける。
この状況に耐え切れなかったのはタケルくん。

「怒ってる?」
「怒っとらんです!」

正直ムカついてはいる。急に私の家を集合場所に変更し、そのまま新年会と言い出したのだ
なんの準備もしていないのに、私の家で勝手に!
だから私は急いで準備をしているのだ。みんな各自料理を持ってくると言う事だが、私も何も用意しない訳には行かない。そこで開いていたスーパーで簡単な食材、お菓子とジュースを購入してきた訳なのだ。

「ごめん……」

タケルくんは申し訳なさそうに小さく呟いた。私はチキンロールを盛り付け終えると、まな板を洗い、

「タケル!」
「ハイ!」

私はコンロの下のラックからお鍋を取り出すと、

「鳥取のお雑煮に作りますね!」

ニッと微笑んで見せた。

先ずお鍋に水を張り、火をつけます。小豆の缶詰を入れますが、量はお好みですね。私は小豆が残っている方が好きなので、大体1リットルに500gくらいでしょうか? お砂糖は200gくらいですが、少しずつ調整してもらったらいいです。隠し味で塩を少々。これで甘さが引き立ち、更にクドくならずに済みます。

「これで完成です!」
「…………簡単だね」
「あとはお餅を茹でて一煮立ちさせる必要がありますけど…」
「芽心さんのところは茹でるんだね。俺ン家は焼きだけど」
「ここでも家庭の違いでますね」

自然と笑い合う私たち。

「よかったぁ〜。芽心さん、怒ってもう口聞いてくれないと思ってた」

ほっと安心した表情を浮かべるタケルくん。
ホントはそんなに怒っている訳ではないが、勝手に決めた事についてはきっちりして行かなければ! 今後の為にも!
そう自分で言って、自分で照れてしまう。

そのタイミングで呼び鈴が鳴った。

「今出まーす」

私が玄関を開けると、

「メイメイにするぅ〜」

ミミさんが抱きついて来た。さっき会ったばかりなのに、何故このテンション? あと私にする、とは?

「もうメイメイ、ノリ悪い! ここは『ご飯にする? お風呂にする? それともアア・タ・シ?』でしょ?」

私の耳元で囁くミミさん。光子郎さんはその様子を静観しながら、

「芽心さん、家からいろいろ持って来ましたよ」
「でも、正月やさかい、皆はんと被ってたら堪忍でっせ!」
「えっ? みんな何か持って来てるの? ミミ、何か聞いてた?」
「えーっと、私聞いてない!」

ムスッと膨れるミミさん。敢えてミミさんには伝えなかったみたい。

「ちょっとご近所迷惑よ、みんな!」

ちょうど空さんと京さん、賢くんがやって来た。

「うちの店からお菓子とかもってきました〜♪」
「すみません、お呼ばれする形になってしまって…」
「ヤマトは遅れるって」

何か作ってくるみたい、と付け足した。
私は皆さんを案内すると、水をはったお鍋に火をいれる。

「タケルくん、お雑煮に食べるか聞いてくれません?」
「了解です」

そう言うとタケルくんはみんなに確認しに行った。取り敢えずお餅を10個を茹でておこうか。
お餅を鍋に入れた頃、タケルくんが戻って来る。

「みんな食べるから、俺と芽心さんも含めて14個かな?」
「なら、今10個茹でてるから、私たちの分はこれが茹で上がってから作りますね」
「わかった! なら、お椀用意しとくね」
「はーい、お願いしまーす」

茹で上がったお餅は浮いてくる。それをお雑煮に入れ、一煮立ちさせる。この時、お餅同士がくっつかない様に注意しないといけない。一度茹でたお餅は茹で過ぎるとトロトロになってしまうのだ。ここでも浮いてきたお餅をお椀に入れ、そこに汁を注ぐ。そのお椀をお盆に載せると、タケルくんに渡し、

「ハイ、お願いします」
「了解! みんな、雑煮出来たよぉ〜」
「わぁー、お雑煮だがん!」
「えっ! これがメイメイん家のお雑煮⁉」
「これ、ぜんざいじゃあ…」
「空ぁ〜、これとっても美味しいよぉ〜」
「この甘みが堪らんわぁー」
「甘さが控えてあるので、甘いのが苦手な人でも食べやすいですね」
「あぁん、お餅と甘いものだから、ダイエットの大敵なのに乙女の大好物じゃない!」
「京しゃん、あんまり気にしてないじゃないですか…」
「賢ちゃん、美味しいね」
「そうだね、それにしても…」

みんなの感想が聞こえる中、タケルくんと自分たちの分を作る私たちに賢くんが、

「今のお二人、まるで夫婦みたいだね」


スレッド記事表示 No.4688 デジモンアドベンチャーtri.二次小説 【2007年元日】1/3すすやん2017/01/01(日) 20:10
       No.4689 RE:デジモンアドベンチャーtri.二次小説 【2007年元日】2/3すすやん2017/01/02(月) 22:24
       No.4690 RE:デジモンアドベンチャーtri.二次小説 【2007年元日】3/3すすやん2017/01/03(火) 21:57
       No.4718 めざせ方言マスター夏P(ナッピー)2017/05/10(水) 23:42