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これは、デジモン大好きなオタクな兄と、デジモンを知らないけど、やっぱりオタクな妹のしょ〜もないやりとりを描いたものです。
過度な期待はしないでください。
会話の中でデジモンに対する誹謗中傷と感じる内容が含まれているかもしれません。
リアル感を匂わすローカルネタ、他作品のパロも含みます。
苦手な方は回れ右でお願いします。
言うまでもありませんが、投稿者はデジモン大好き人間です。
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俺はデジモンが大好きだ。
しかし、これを語り合えるのはネットの中だけだ。
周囲にいないのは、俺が大人になってしまったからかも知れない。
子供の頃からその魅力に取り付かれ、育成ゲームから始まったこの作品を途切れることなく愛している。
この思いを、情熱を、どこにぶつけたらいいのか。
もはやネットだけでは物足りない。
“布教”しなければ!!!
まずは身近なところから攻めていくことにした。
つまり、妹だ。
彼女は俺と同じく“オタク”である。
主に乙女ゲームや美男子を売りにしている作品のファンだ。
最近はロボットアニメにだって美男子が登場することもあり、休日は一緒にDVDを観たりする。
問題があるとすれば、俺とは11歳も離れているところだ。
彼女はまだ11歳の小学生なのだ。
将来が心配過ぎる!! もう“くさる”こと確定ではないか!!
もはや妹というより、姪っ子や娘を見る感覚である。
「なにこれ?」
妹が質問してきたのは、机の上に置いておいた1冊のファイル。
俺はデジモン歴15年。その愛を一つの形にしたのがその『デジモンデータ集』。
妹はそれを手に取りつつ、ソファにどかっと座るとパラパラと見始めた。
作戦の第1段階は成功である。
あのファイルは、布教用として、編集に編集を重ね、ネットの知り合い複数人に校正を依頼して、第3者でも読みやすいようにしたもので、夏や冬の即売会でも出せるものと自負している。
イラストは模写ではなく、アレンジを入れた立ち姿で、学生時代に友達作りそっちのけで、猛勉強した成果だ。
文章は公式のページを一部引用しているものの、大部分はゲーム、アニメ、漫画での使われ方をまとめた。
もちろん、2次創作での使われ方や頻度もできるだけ研究して記載している。
「ねぇねぇ、これってさ……」
どうやら興味をもってくれたようだ。
「ユキダルモンってさぁ、アレだよね、百貨店のCMで出てた……」
……ん? デジモンが百貨店だと!?
いやまて、そんなことはない。
何かと勘違いしているぞ、妹よ。
「これこれ」
妹は小学生のくせにスマホを与えられている。
……すんません、本体の半分は俺が出しました!!
兄バカです、すんません!!!
閑話休題。
動画のスクショらしい。
あぁなるほど、愛くるしい白いクマのキャラクターがリズミカルにダンスして百貨店のセールを告知するCMあったわ。
……ちょっと待て、そのCMは俺がガキの頃におぼろげにやっているのを覚えているが、お前はリアルタイムで知らないはずだぞ!!
「これこれ」
ば、ばかな! ツイッターのアカウントまであるのか、あのくまぁ!!
うちの県から撤退したばかりに最近観なくなったということかぁ〜〜
あ、そうそう、妹よ、家にいるときはwi-fi接続にしなさい。動画はすぐ容量超えるから!
しかし懐かしい。
もちろん、それとはまったくの別物だとフォローしておいた。
そこからまたしばらくすると、
「ねぇねぇ、このエグザモンってさ、おっきいよね。仲間と写真撮るとき、膝から上になるから見切れちゃうじゃん?」
そうだなぁ……ロイヤルナイツで集合写真とかどんだけ豪華なんだよ、と思いつつ。
「そうだ、右上の枠っていう手があった!」
あわれ、エグザモン!
でも心配するな、リンクスではサイズが調整されているぞ。
次。
「ねぇねぇ、ロップモンとテリアモンって可愛いねー?」
そうだな、女子は可愛い物から興味をもつ。
デジモンへの興味の入り口にするにはもってこいだな。
「でも犬っぽくないよね?」
どうやらテリアモンのモデルが犬種のテリアだと思っているらしい。
じゃあロップモンはどうなるんだ?という問いかけを小学生にしても酷だろう。
俺は某バーガーショップが由来になっていることを説明する。
「なにそれ?」
ピンとくるわけがない、我が県にそのバーガーショップはないのだから。
次。
「デビモンってさぁ、腕長くていいよねぇ?」
そうだな、格好いいよな。俺もそこが好きなんだよな。
「かゆいところに手が届くし」
お、おぅ……そ、そうだな。
孫の手侍だよな。
でもな、こいつの必殺技は『デスクロー』、
“爪”なんだよ。
かゆいところを色々かいたら自傷行為だぞ。
「そうなんだ。だから羽がボロボロなんだね?」
妹よ、お前は天才か!
次。
「グリフォモンってさぁ、頭と尻尾で喧嘩しないのかな?」
そういや尻尾は蛇だったなぁ。
「さるの〜、へびの〜って」
ほえろ!!!
次。
「ケンタルモンってさ、何かに似てるよね?」
まんまケンタウロスだろ。
サジタリモンとかスレイプモンみたいな多脚型はいるけど。
「なにそれ? ……あ! あれあれ、最後首引っこ抜かれて爆発する怪人!」
あぁ……肌の色とか表面がボコボコなとこな。
しかし、妹よ、イケメン好きが高じて風祭的な序章まで観なくてもいいんだぞ?
俺はあれ結構トラウマなんだが……
次。
「エンジェモンとかエンジェウーモンってさぁ〜、あのかぶり物とったらどんな顔になるのかな?」
きっとタレ目だったり、つぶらな目をしてるんだろ?
悪者をやっつけるときに、優しい目をしてたら説得力ないだろ?
という自分なりの解釈はあった。
「『33』だったりして」
ちょ、おまっ、やめろ、俺を窒息死させる気かぁ!! 腹筋が、崩壊するっ!!
次。
「ヌメモンってかわいいかも……」
そういや、携帯ゲームでヌメモン信者がいたっけ。
イラストは最近コラボしたバトスピよりにした。
間違ってもver.1モデルのヌメモンを布教用に使用してはならない。
レアモンも同様だ。
「頭にワタルくん乗せたら操縦できそう」
なんちゃら英雄伝か!?コックピットのアレか!?
わからない、妹の趣味趣向がわからない!!!
次。
「ベツモンってさぁ、スーツ着たら、どんなデジモンにもなりすませるって書いてあるけど……」
ファイルを数ページ戻して、
「このもんざえモンとエクスティラノモンの中の」
HAHAHA、そんなわけがないじゃないか。
そんな君にはクロスウォーズ3期を今度一緒に観ような!
次。
「オメガモンってさ、かわいそうだよね?」
どうしてだ?
「右手が大砲で、左手が剣だし、フォークもスプーンも持てないよ? 何も食べられないよ?」
……確かにな。もしかして、誰かに食べさせてもらっているのかもな。
「ってことは食べさせてくれる人がいないオメガモンは、ズワルトDになって、あんなに痩せちゃうんだね……」
納得。誰か、オメガモンに愛の手を!!!
そして、
「終わった」
内容は約200体分のデータだ。
ものの30分ほどで大体読み終わる。
どうだった、妹よ。デジモンはいいぞぉ〜?
「うん、ルーチェモン(FD)とベルゼブモンのカップリングならいけるかな?」
お、おぅ……布教活動はこれからも続く。続くったら続く!!
おしまい。
◎言い訳とか補足とか
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
連載物を放置して早2年。
進めてはいるのですが、思いついては削除してを繰り返すうちにやる気がどんどん痩せ細るこの頃。
今作は、馬鹿馬鹿しい話を作って気分転換を図る意味で投稿してみました。
「デジモン小説はどんな発想をしても自由だ!」
財団B絡みの言葉を勝手に挿げ替えて広めたい…
元ネタがわかり辛いものもありますが、全部ひっくるめて自由なんです!
( ・`ω・´)キリッ
ハードルはかなり下がったのではないでしょうか。
馬鹿馬鹿しいけど、どこかクスっとしちゃう作品もたまにはいかがですか?
命令じゃない、提案だっ!
最後に補足
tonakaiという男は、妹もいませんし、即売会に出せるほどの技量も持っていません。
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