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ID.4819
 
■投稿者:Ryuto  HOME MAIL
■投稿日:2018/01/25(木) 23:00
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グッド・オールド・フューチャー 0/1999年の選ばれし子ども
         
 私が「選ばれし子ども」として最後の仕事をしたのは、二〇三八年の八月だった。
 既に一九九九年に選ばれてから四〇年近くが経過し、とっくに「子ども」なんて年齢ではなかったが……ほかに適切な言葉が無かったのだろう、私たちは幾つになっても「選ばれし子ども」と呼ばれ続けた。
 その日のことはよく覚えている。茹だるような暑さの中、スクルドターミナルの中枢を占拠したイグドラシルに、私たちは最後の戦いを挑んだ。
 勝ちはした。ただし、代償はとても大きかった。
 通信用インカムの向こう側で勝利に沸く人々の声を聞きながら、私はパートナーを探して、名前を何度も呼んだ。
「メタルガルルモン!」
 粉塵で視界は遮られ、私の掠れた声は歓声にかき消される。だが、それにしても、彼の姿すら見失うなんてパートナー失格だ。
 こんなことが起きなければ……。
「メタルガルルモン!」
 私は動くことができない。
 彼女の身体を抱えることで精いっぱいだった。
 指先から彼女の血が滴り、地面に落ちていく。
 彼女はもう虫の息で、自力で立ち上がることさえままならない。
「どこだ! メタルガルルモン!」
 三回目の声のボリュームは、その前の声よりも幾分かましだった。直後、粉塵の中から青い装甲に覆われた機械の狼が現れる。右目に傷を負い、ボロボロになっていても、彼はまだ私をパートナーだと思っていてくれた。
「助けてくれ! 彼女が死ぬ!」
 彼に何かを頼んだのは、これが最後だったかもしれない。

 この日、私たちは確かに戦いに勝った。
 それは多くの命を救ったかもしれないし、正しいことだったのかもしれない。
 だが、これは私が求めていた結果だったのだろうか?
 私には分からない。

 もう十一年前も前の話だ。
















スレッド記事表示 No.4819 グッド・オールド・フューチャー 0/1999年の選ばれし子どもRyuto2018/01/25(木) 23:00
       No.4820 グッド・オールド・フューチャー 1/依頼Ryuto2018/01/25(木) 23:01
       No.4821 グッド・オールド・フューチャー 2/出会いRyuto2018/01/25(木) 23:02
       No.4822 あとがきRyuto2018/01/25(木) 23:35
       No.4844 に、20年……だと夏P(ナッピー)2018/02/05(月) 22:35
       No.4864 感想返信Ryuto2018/02/11(日) 01:20