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ID.4693
 
■投稿者:すすやん 
■投稿日:2017/02/26(日) 23:20
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デジモンアドベンチャーtri. タケメイ二次小説 第1章「玉砕」
         
「望月さん、俺と付き合って下さい!」
「すっ…すみません」

いきなり玉砕した。
いや、可能性は考えたよ? でも、まさか即答とは思わなかった。
こう見えて、僕は結構女の子にモテる。
やっぱりルックスやバスケをやってたぶん、女子受けがいいんだろう。

でも、僕より格好イイ人はいる。もちろん、いろんな意味でね。
ルックスなんかじゃアニキの方が遥かに上だし、スポーツなら太一さん、ちょっとファッションセンスはどうかと思うけど、パソコンに向かう光子郎さんも知的なところが魅力だ。丈さんはいつもは頼りないけど、ここぞってところで助けてくれる。今でもメガシードラモンに襲われたときに身を呈して助けてくれたのが忘れられない。
そんな人達を見ると、僕は薄っぺらい人間に思えてしまう。
だから、女の子に優しく接してみんなにないところをアピールしている。まあ、それもお爺ちゃんのマネなんだけど…。お爺ちゃんはそういう意味で言うと、裏表なく女性に接している。

曰く、
L’amour est un ouragan n’importe quand.

うーん、さっぱりわからない…。なんか恋は情熱だぁー!と騒いでてお婆ちゃんに叱られてた気がする。

とりあえず、女の子には優しく、って感じに捉えて実践はしている。だから、アニキのライブなんかにもいろんな女の子に声を掛けてる。

でも、告白になると話は別だ。

正直、軽い気持ちで女の子と付き合うことはできない。
理由は両親のこと。
自覚はないけど、深いトラウマになっているんだと思う。

それに小さな頃から忙しく働く母さんを見ているせいか、理想の女性が母さん似た雰囲気をもつ人な気がする。
あっ、マザコンじゃないよ。

だから、彼女を好きになった自分を自分が一番驚いている。

望月芽心。
僕らと同じ選ばれし子供達の仲間。

感染デジモンの一件から色々あったけど、僕たちの仲間になった。

初めは鳥取から来たと言うことで、都会そのものに驚く様子が年上なのに妙に不安にさせて、ミミさんに振り回されながらも楽しそうな顔に癒されて、たまに見せる影のある表情に惹かれて、そして一緒に冒険をして、戦って行くうちに、彼女が好きになっている自分がいた。

あの冒険からひと月、僕は告白していた。

「すっ…すみません」

玉砕した。
うっ、影から見守るパタモンとメイクーモンの視線が痛い…。
恥ずかしくて、顔を上げられない。
やばい、泣きそうだ!
あああああ、パタモン、ホーリーエンジェモンに進化してヘブンズゲートを開けてくれ! その中に飛び込みたい!

「タケルくん、ごめんなさい! 顔を上げて下さい!」

ううぅ、この状況で顔を上げてなんて、鬼畜すぎるよ!

「あのなんて言ったらいいのか…、私も告白されたの初めてで…」

そうですよね、いきなり変なこと言ってゴメンナサイ。

「だからなんて返したらいいか、分からないんですけど…」

僕もなんて言って顔を上げたらいいか、わかりません!

「私もタケルのこと、好きです」

えっ?

僕は顔を上げる。
ヤバい、泣き顔を見せてしまった、恥ずかしい!
しかし、芽心さんは頬を赤らめて、もじもじと体を動かしている。

可愛うぃい!

「でもまだ出会ってそんなに経ってないですし、年齢も4つも違うじゃないですか…。それにタケルくんまだ中学生ですし…」

そういう芽心さんの瞳は見る見る内に潤んできた。

「だから、付き合っても他の子に乗り換えられちゃうと思うと、私…怖くて…怖くて」

遂にその目から涙が溢れてくる。
突然のことで驚いたけど、僕はすかさずポケットからハンカチを取り出し、彼女の頬にあてる。

「ありがとうございます」

鼻を啜りながら、芽心さんは涙を拭っていく。

「タケルくんは悪くないです。私が…私が…私に自信がないだけで…」

泣きながら答える彼女を僕は黙って抱き寄せる。
本当なら、なにか声をかけるべきだけど、かける言葉が思い浮かばなかった。

僕の肩でしばらく泣いていた芽心さんは落ち着いたのか、僕から離れて改めて向き合った。

「すみません、お見苦しいところをお見せしました…」
「そんなことないよ。俺…その嬉しいんだ。望月さんがこんなにも真剣に考えてくれて、だから…」

俺はそこまで言うと、両手で自分の涙を拭うと、そのまま自分の頬を強く叩いた。
驚いた表情の芽心さんをじっと見つめると、

「改めて言います。望月芽心さん、俺と付き合って下さい! 俺望月さん…、いや芽心さんを絶対に幸せにするし、一緒に幸せになりたい!」

今の俺の気持ちに偽りはない。
もし芽心さんが俺のことを嫌いになっても、俺は絶対に彼女を愛し続ける。

俺の新たな告白に芽心さんは、キョトンとしていたが、にっこりと笑みを浮かべると、

「よろしくお願いします」

腰を90度曲げて、返してくれた。

「おしっ!!」

僕は声を挙げて喜びを表現する。芽心さんも嬉しそうに見つめている。やばい、そんなに見つめられると恥ずかしいw

「なぁ〜、 なんでメイもタケルも泣いとるだぁ?」

足下を見ると、メイクーモンが困った顔でこちらを見ている。

「タケリュ〜、ゴメン! タケリュが芽心を泣かせたと思ってメイクーモン、飛び出しちゃった!」

慌てたパタモンんが必死に耳をはためかせて飛んできた。

要約すると、急に泣き出した芽心さんを見て、僕が泣かせたと思ったメイクーモンが飛び出したものの、到着してみれば2人とも泣きながら笑っている。
一体どう言ういことか、メイクーモンではよく分からなかったようだ。

「メイちゃん、大丈夫だで。私もタケルくんもとーっても仲良しだけん。心配せんでもええよ」

芽心さんはメイクーモンを抱き上げながら答えると、メイクーモンは嬉しそうに「だがん!」と答える。

その光景を微笑ましく見ていると、パタモンが僕の頭に乗ってきて、

「よかったねぇ〜、タケリュ〜」

嬉しそうに呟いた。
僕はその頬を優しく撫でる。

ああ、人を好きになるのって、こんなにうれしい事なんだな…!


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